【農業振興】経営の多角化、商品性の向上、食の安全など農業振興には女性の視点こそ大切。

 本来、農家は、お父ちゃんとお母ちゃんの夫婦が基本だ。
 私の家もそう。レンコンを掘る父、洗い箱詰めは母。だいだいお金の管理は女性がすると残るものだろう。父は働いて、家で酒を飲むことが日課であったと思う。農業は、男女共同の作業に他ならない。
 以下は、公明新聞に掲載された農業振興に女性の力を発揮させようとするもの。確かに、もっともっと女性の知恵と能力の発揮が必要だと思います。母なる大地の恵みである農業は、まさに母の力で成り立っている。
 
 女性就農者が仕事や生活の中で培った知恵や発想を、企業の新たな商品やサービス・情報に結びつけることで、農業の持つ魅力や可能性を引き出そうというユニークな試みが、話題を呼んでいる。
 この「農業女子プロジェクト」は、農水省が音頭を取り昨年11月にスタート。農機具メーカーやアパレル、化粧品、自動車、ホテル、旅行会社など9社が参加し、全国の女性農業者と個別プロジェクトを立ち上げ、女性ならではの視点やアイデアを引き出す作業が進行中だ。
 公明党も科学技術や農業、環境などの分野で女性の視点を反映させるために、新たな「女性サポート・プラン」策定に取り組んでいる。女性の持てる力を存分に発揮し、その感性が随所に反映される社会づくりをめざしたい。
 「農作業に使う軽トラックはなぜ白ばかり?」―自動車メーカーは、こうした女性の意見を積極的に取り入れ、個性的でおしゃれな軽トラの開発で新規需要と話題づくりを図る。アウトドア用品を扱うある会社は、これまで地味で目立たなかった農作業着に着目。プロジェクトに参加する女性からアドバイスを受けながら、カラフルで動きやすく使いやすい商品開発を進め、今春に第一号を発売する予定だ。
 発足当初11人だったメンバーは、17日現在で北海道から九州まで約70人に増加。インターネットなどを通じて、活発に意見交換や情報発信を行い、農業の楽しさとともに自らの可能性を広げている。
 昨年の農業就業人口は約239万人。女性は約121万人と半数を超えるが、日常的に農業に携わる基幹的農業従事者は44%にとどまる。耕作放棄地は、ここ30年間で3.2倍に増え、滋賀県とほぼ同じ面積の約40万ヘクタールに達した。その要因の一つは、土地持ち非農家の増大、つまり後継者が育っていないことにある。人材の確保、特に女性の育成が急務であるといえよう。
 女性が主体的に農業に携わると、農産物の販売金額が増加するというデータもある。年間の販売金額が300万円未満の農家・農業団体では、女性の従事率は4割だが、2000万~5000万円を売り上げるところでは、9割を超す。農産物の加工や観光農園、輸出など、経営の多角化を進める農家の7割以上でも、女性の活躍が目立つ。
 政府は昨年末、今後10年間で農業・農村全体の所得倍増をめざす方針を示した。その実現のカギを握るのは、女性であると強調したい。