公明党が進める幼児教育の無償化に向けた第一歩として、幼稚園に子どもを通わせる保護者の負担軽減のために支給されている「幼稚園就園奨励費補助制度」が4月から拡充される。
①保育所と同様に、生活保護世帯の負担を無償にするほか、
②多子世帯(子どもが3人以上いる世帯)では、第2子の半額支給の対象を拡充した上で所得制限を撤廃。
③第3子以降の無償化でも所得制限をなくす。
現在の幼稚園就園奨励費(生活保護世帯を含む)は、国が原則、3分の1以内で補助し、各市町村ごとに実施。第1子の場合、1年間に最大で公立2万円(年収270万円以下の世帯)、私立6万2200~22万9200円(年収約680万円以下の世帯)を支給している。多子世帯の場合、第2子以降への増額もあるが、幼稚園の保育料は保育所に比べて高く、保護者の負担は大きかった。
そこで、今回、本来、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、全ての子どもに幼児教育を保障するとの観点から、幼稚園と保育所の保育料の格差を是正することにした。
具体的には、生活保護世帯に、保護者負担が第1子から無償になるよう、最大で公立7万9000円、私立30万8000円を支給する。
また、「幼稚園児が2人以上いる」「小学3年生までの兄姉がいて幼稚園児もいる」などの多子世帯に対する支給については、所得制限を撤廃し、支給額を増やす。公・私立ともに、第2子の保護者負担を半額(上限あり)にし、第3子以降が基本的に無償になるよう、最大で幼稚園の年間保育料の全国平均に相当する保育料(公立7万9000円、私立30万8000円)を支給する。
就園奨励費の手続きは、入園後、幼稚園を通じて行う。ただ、申請方法は各自治体、幼稚園で異なる場合があるため、それぞれの窓口などで確認が必要。
これまで公明党は、2006年9月の党全国大会で「幼児教育無償化」を提言して以降、「女性サポート・プラン」を提出するなど、幼児教育の無償化実現を一貫して主張してきた。
12年12月の自公連立政権発足の際には、政権合意書に「幼児教育無償化の推進」を明記させ、国会質問でたびたび取り上げてきたほか、13年5月に文部科学相への要望などを通して、その実現を強く求めてきた。