前例主義とは亡霊のようだ。震災に、原発事故にあって前例主義は通用しない悪になる

 平成23年度系統農業災害資金(原発事故)融資要領をファックスして下さり、自身が利用できないことを訴えて来られた農家の方にいらっしゃいます。
 なぜ、その方が使えなかったのか。
 一つには、年齢が65歳超だから。
 二つには、かつて借入事故があり、個人信用に瑕疵があるから。
 との事です。
 農家の高齢化は今更言うまでもありません。後継者のいない高齢農家は相当数いらっしゃいます。私の実家も父は79歳です。母は77才です。そして若い壮年男子の方二名を雇用して立派に農業経営しています。
 この原発事故に、個人情報は何の意味があるのでしょうか。
 不要とは言いません。私も元銀行員ですから。
 しかしながら、「つなぎ」と言うからには、返済原資の確定に対しての「つなぎ」を本件は言いますから、そして明らかに出荷停止されたホウレンソウ栽培農家ですから、あえて個人情報の瑕疵とは何を意味するのでしょうか。
 もっと、「貸して返して」のロジックを明確にすることが必要に思えます。
 そして、それができるのが農協という組織ではないのでしょうか。農協が、農家の実態をよくよく知り、返済原資たる補償金の窓口である限り、金融は明確に成立すると思います。
 大事なことは、かくなる理由で農協が農家の息を止めることにもなりかねないことがあってはならないと言うことです。
 
 官僚組織の硬直性の中に、「前例主義」があります。
 かつての制度を一部焼きなおしては初めて創作したように見せるテクニック。
 東日本大地震に、更にげんぱつ事故に、どんな「前例」が必要でしょうか。過去に捉われない、狭いストライクゾーンでは、この国難を国民全員で乗り越えられません。幅広く一人も落とさない頼りがいのあるストライクの直球が求められています。
 
 私も、もう少し研究して参りたいと存じます。