【独居高齢者】社会保障の世帯モデルは、夫婦と子ども2人から、一人の個人モデルに焦点を当てるべきだ。

 昨日の公明新聞主張からあらためて地域包括ケアシステムの形の一つを考えさせられます。
 一人暮らしの高齢者の急増は、地域を訪問すると良く分かります。訪問で声掛けしても、自宅におられるように見受けられても、外でお会いすることはままなりません。
 つまりお一人暮らしの高齢者の皆さんは、社会との接点を慎重に見極めていると思います。身を守ることが大事です。よって地域で如何に人間関係を構築しておくかが大切です。
 公明新聞主張は、現在政府が造る世帯モデルが夫婦と子ども2人としていることの無理を指摘し、一人にフォーカスした政策を作ろうししています。全くその通りだと思います。
 ただ「サービス付高齢者住宅」への移行がこれへの対策とは思えません。広く別々に暮らす独居の高齢者を集めれば良いとは考えられないからです。これは「一人一人に最適のケア」なのか、「住み慣れた地域で生涯を送る」に矛盾しないの疑問があります。少なくともサービス付高齢者向け住宅の質的レベルを担保すべき政策がひつようだと思います。
 以下は、公明新聞の記事の転載です。
主張/独居高齢者の急増/変化迫られる社会システム/個人単位の制度設計など検討急げ
2014年04月15日
 一人暮らしの高齢者が急増していく実態が、あらためて浮き彫りになった。
 国立社会保障・人口問題研究所が11日発表した世帯数の将来推計によれば、2035年には、世帯主が65歳以上の高齢世帯に占める一人暮らしの割合が37・7%に上る。都道府県別にみると、山形県を除く46都道府県で30%以上となり、9都道府県では40%を上回る。一人暮らしの高齢者数が最も多い東京都では、35年には100万人を超えると推計されている。
 今の日本は社会保障制度にしても税制にしても、夫婦と子ども2人で構成される家庭をモデルケースとした世帯単位の制度設計が中心となっている。高齢世帯の4割近くが一人暮らしになれば、現在の制度と懸け離れたものになる恐れが出てくる。
 約20年先の問題とはいえ、改善策を進めるための時間が十分にあるわけではない。単独世帯の増加に耐えられるように、制度設計を世帯単位から個人単位に重点を移すことも含めて、対応を検討する必要があるのではないか。
 例えば、医療・介護の分野では、一人暮らしの高齢者を地域で支える仕組みづくりを急がなければならない。家族がいない高齢者を全員、特別養護老人ホームなどの施設に受け入れるのは、物理的にも財政的にも不可能に近い。公明党が、医療や介護、生活支援などのサービスを一体的に受けられる地域包括ケアシステムの構築に力を入れているのは、このためだ。
 施設に代わる受け皿としてサービス付き高齢者向け住宅の普及を進めるとともに、住み慣れた家での生活を望む高齢者の見守りネットワークを整備する必要がある。
 住まいの問題では、単身世帯向けの住宅需要が高まる一方で、ファミリー向け住宅の購入や利用は頭打ち傾向になるだろう。広い家屋に1人で住む高齢者に対しては、住み替え支援を強化するなどの対策が求められる。公共賃貸住宅は、一人暮らしでも安心して住めるためのサービスを新たに考えなければならない。
 一人暮らしの高齢者が増える原因の一つは、未婚率の上昇である。結婚をしないまま高齢期を迎える人たちが今後、増加する事態にも備えなければならない。
 税制や行政サービスの提供に当たっては、結婚の有無によって不均衡が生じない制度を構築していく必要がある。
 世帯構成が大きく変わりつつある今、社会のシステムもソフト、ハード両面にわたる見直しが求められている。