鹿児島県日置市の医療法人が設置するサービス付高齢者向け住宅は、入居する高齢者の収入に応じて家賃の減免をしており、その収入不足は医療法人グループが補てんしているそうです。
高齢者ケアの側面からも医療法人のサービス付高齢者向け住宅の新設は理想的であると思います。そして、減免等の努力に対して国は相応の負担支援に応ずるべきだと考えます。
以下は、公明新聞の記事からのご紹介です。
高齢者が住み慣れた地域で医療、介護、住まい、生活支援サービスを一体で受けられる体制をめざす、公明党の地域包括ケアシステム推進本部(桝屋敬悟本部長=衆院議員)は29日、鹿児島市で移動推進本部を開き、党鹿児島県本部の地方議員と同システム構築に向けて意見交換するとともに、日置市にある医療法人誠心会グループが運営するサービス付き高齢者住宅などを視察した。
意見交換会で桝屋本部長は、「地域包括ケアシステムに一律の姿はなく、県本部の皆さんと膝詰めで議論する中で課題を探り、7月にも提言をまとめたい」と強調。その上で同システムの構築は、日本の社会保障制度を問い直す作業であり、現場の声を聞きながら引き続き検討を重ねたいとの考えを示した。
持冨八郎県代表(県議)は、県内人口約170万人のうち、65歳以上の高齢者は約46万人で、5人に1人が介護認定者だと報告し、「鹿児島は他より早く高齢化が進んでおり、市町村ごとに課題は違う」と指摘。出席した県本部の議員からは、「離島医療を担う医師の後継者がいない」との声や、「市内に看護学校はあっても、地元に残る人が少ない」との意見が寄せられた。
桝屋本部長は「われわれが思っている以上に、地域包括ケア推進に向けて各市町村で作業が始まっている印象を受けた」と述べた。
その後、一行は日置市の高齢者多機能福祉施設「ふきあげタウン」を訪れ、施設内のサービス付き高齢者住宅「希の里」を視察した。ここでは入居者の収入に応じて家賃を減免する制度を独自に導入している。
例えば収入が国民年金のみの人の場合、食費と光熱費などを月額4万8000円払えば、家賃免除で入居できる。それ以外の人の利用料は第三者で構成する減免審査委員会で決め、減免部分については病院経営などグループの収益で補っているという。男女50人が入居し、24時間常駐のスタッフが見守りも行っている。誠心会の前原くるみ理事長(内科医)は、「低所得の人でも安心の老後をどう実現するかが大事だ。日本一やさしい医療、福祉をめざしている」と強調した。
視察を終えた桝屋本部長は、「今後、サービス付き高齢者住宅が増えていく中で、減免制度を国の制度として検討できないか推進本部でも議論したい」との認識を示した。