春うららのような温かい日差しを浴びながら筑波山の麓にやってきました。ピクニックではありません。筑波山と言う観光資源が今後どうなっていくのか、現状はどうなのかを知るために、筑波山を代表する観光旅館二軒を訪ねました。
筑波山参道は、今も登山禁止になっています。東日本大地震の時、登山中の方が落石に遭い死亡されるという痛ましい資源があり、即刻登山禁止になりました。その後余震の続く間は、登山禁止となる見込です。
また、筑波山神社の鳥居や石畳の破損もあり、観光地として整備をしなければならない現状です。
各旅館は、地震発生時がちょうど前日泊のお客様が帰り、当日客と入替時間帯であったことから無事故でした。そして、後はキャンセル続きと言うことです。一方の旅館は、先ごろまで土浦市の霞ヶ浦運動公園体育館にいたいわき市の避難者の方が県観光協会の資金補助の中で宿泊されていました。この方達は、お一人妊婦さんがいるとの事で冷たい体育館の床では厳しい環境から逃れて平静を保っているようです。
今後の観光業界の厳しさは、全く風評被害の中にあります。
原発事故の現場に敢えて近づくことはありません。山岳の中で余震に遭遇することは望みません。茨城県産の食材も不安があります。自粛ムードの中でゆっくりもしてられません。等々と宿泊客の確保は努力で購えない厳しさにあります。
その上で、旅館の建屋の損害の補修費や人件費の支払等に、各旅館が直面して悩んでいます。人件費の問題は、解雇して失業保険を手当てしたほうが従業員のためとの意見すら聞かれました。先行きの心配がそう言わせています。
いったいどこまで経済が縮小してしまうのでしょうか。泥沼も底が見えれば汚れることも覚悟できますが、底のない沼に足を取られては二度と這い上がることができません。
茨城のイメージアップに大きく資する観光部門です。筑波山は、関東の名山です。いまや日帰りハイキングコースとして定着した筑波山を安全で快適な登山コースにするために県としての取り組みが求められます。
筑波山の道すがらには、やっと桜の開花の予感がありました。
花のほころびを目の当りにすると、桜のように潔い開花と散花の美しさに感動します。
桜の開花の北上とともに東北に桜の春が来ることを心から望んでいます。
被災地の港にも桜の花が咲くのでしょうか。
寒い冬の風の中にあっても、大いなる自然は確実に樹木の中に美しい芽の因を忍ばせているに違いありません。
きっと、ふっと目を離した瞬間に、春の変化を桜の小花が、風に踊って生きる喜びと散る潔さを教えてくれるかもしれません。