【集団的自衛権】自衛権発動の三要件と憲法9条解釈論理から飛躍する安保法制懇の報告書

 昨日(5月28日)の衆議院予算委員会は、安倍総理らが出席して安全保障政策をめぐる審議、つまり集団的自衛権についての質疑が行われました。多くの方がテレビ中継で審議をご覧になっていたと思われ、なかでも公明党遠山清比古州ぎぃんの質問は、遠山議員が与党協議メンバーであることから、理論的な積み重ねを丁寧に行おうとしていることに高い評価があったと思い間す。
 なかでも使用したパネルは、
 ①自衛権と「戦力」に関する一般的な理解
 ②いわゆる「芦田修正論」に基づく「戦力」の理解
 ③自衛権発動の三要件
 ④憲法9条解釈の論理
 ⑤安保法制懇が提案している集団的自衛権の行使要件
 について的確に纏められており、今まで自民党の一部で言われている集団的自衛権の限定容認の基礎を整理したものと思います。
 そこで、以下の通り、遠山質問の公明新聞記事とパネルを掲載します。
 

2014年05月29日19時13分09秒0001

 

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 衆院予算委員会は28日、安倍晋三首相らが出席して安全保障政策をめぐる集中審議を行い、公明党から遠山清彦氏が質問に立った。
 遠山氏は、集団的自衛権の行使はできないとする政府の憲法解釈を確認。
 その上で、安倍首相が私的諮問機関「安保法制懇」の示した、「個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない」などの考え方について「採用できない」と判断した理由を聞いた。
 安倍首相は、報告書が示した個別・集団的自衛権の行使において制限がないとの考え方は政府として一度も取ったことがないと強調。そして、「自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはない」「そのことを検討することはない」と言明した。
 一方で遠山氏は、日本が武力攻撃された場合の自衛権を認めた1972年の政府見解について、自衛の措置が許される根拠の最重要の部分が、「国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から覆されるという事態に対処する」点であると主張し、内閣法制局の見解をただした。
 横畠裕介内閣法制局長官は、72年の政府見解が、「急迫不正の事態に対処し、国民の権利を守るためのやむを得ない措置として、初めて(自衛のための措置が)許容される」趣旨であると述べた。
 さらに遠山氏は、安保法制懇が提示した、集団的自衛権行使の限定行使の要件について、「国際秩序そのものが大きく揺らぎ得るか」など「解釈の幅が極めて広い判断要素」だと指摘。「これを認めてしまうと憲法9条の規範性そのものが失われかねない」と懸念を示した。
 これに対し、安倍首相は安保法制懇の報告について、「与党の議論を踏まえ、政府としても法制局を中心に検討を進めたい」と答えた。