地方では、景気回復の実感がないと思っていました。
その中、4~6月のGDPがマイナス7.1%と発表されると、地方の景気回復への懸念が広がります。
ましてや、ドル円が円安に大きく振れていることを見れば、ガソリン料金など庶民の足元への影響を心配しなければならないと思います。
さて、一定の賃金上昇もあるものの、それ以上の物価上昇により、可処分所得が増えない構造を打破する政策が求められます。
以下は、本日の付の公明新聞社説です。党として、今打つべき施策が如何なるものかを明示して欲しかったという感想がありますが、そこに経済の難しさがあるとも感じます。
主張/景気回復/地方経済に焦点当てた対策を
2014年09月12日
景気回復の足どりが気になる。
内閣府が発表した4〜6月の国内総生産(GDP)2次速報値は、実質GDP成長率で前期比1・8%減、年率7・1%減だった。実質成長率と名目成長率ともに1次速報値から下方改定された。8月の景気ウオッチャー調査は、街角景気の現状判断指数が4カ月ぶりに悪化。消費動向調査も、5月から続いていた改善の動きが途切れた。
自公連立政権の経済対策が効果を発揮して、企業の業績が改善、今春闘は大企業を中心に賃上げの動きが広がった。ところが、それ以上に物価が上昇したため実質可処分所得が増えていない。
景気の好循環を構築するためには、今秋にも再開される見通しの政労使会議を利用して、企業収益を着実に賃金上昇と雇用確保につなげてもらいたい。
長く続いたデフレからの出口は見えてきたものの、景気回復の動きは特に地方に及んでいない。GDPや雇用者数の7〜8割を占める地方経済に焦点を当てた対策が必要だろう。
地方の労働生産性(労働者1人当たりの生産額)は米国の半分程度、先進国比で最低レベルにある。人口減少による構造的な人手不足の下で、サービス業や中小・小規模企業が大半を占める地方経済を活性化するには、経営・金融支援などの強化とともに、人材教育やICT(情報通信技術)の活用によって生産性を高めることが欠かせない。
人口減少と地方創生に対応するため安倍首相は今月、自らを本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を発足させた。同本部の有識者会議では、全国各地で成果を上げるさまざまな地方活性化策が報告された。年内には中長期ビジョンをまとめるが、パッケージ化された全国一律の施策・制度ではなく、地域の実態とニーズに合わせた柔軟な仕組みにすべきだ。そのためにも、地方の意見を十分に聞いてもらいたい。
個人消費と同様、景気回復の鍵を握る輸出も伸び悩んでいる。産業競争力を強化していくことも不可欠である。官民で対策を進めるべきだ。
政府には、機敏かつ十分な対応を求めたい。