地域と教育の関係をどう捉え実践していくのかが問われています。
放課後の子どもたちの居場所はもちろん、子どもたちの社会性や生き方を多様な立場からアプローチする事を私たちはしっかり考えなければならないと思います。
その意味で、書きに掲載する「コミュニティ・スクール」への取組みは注目できます。
公明党の文教科学部会の視察の内容です。参考にしていきたいと思います。
CSは、学校の教職員と児童・生徒の保護者や地域住民、学識者などで構成する「学校運営協議会」を設置し、教育の基本方針など学校の運営に地域の意見を反映させる制度。
山口県は、公立小・中学校の約82%にCSが設置され、全国平均の約6%を大きく上回る。特に浅江中学校の「あさなえネット」は、2009年度に文科省指定のCS調査研究校としてスタート、12年度に文科大臣表彰を受けるなど先進的な取り組みを展開している。
浅江中学校では、同協議会の中に教職員と地域住民で組織する企画推進委員会を設け、「学力向上」「心の教育」「体力つくり」の3部会を設置。全教職員がいずれかの部会に所属し、学校と地域をつなぐ企画を立案、地域住民と熟議し年間の活動を決定している。
調査に訪れた桝屋氏らに伊藤校長は、CSの効果について「生徒の社会性が育まれ、多様な生き方や価値観と出合うことで、学力や自己肯定感の向上にもつながっている」と強調。公明党文科部会一行は、外国語指導助手(ALT)が地域住民に授業を行う「ALTと会話しよう!」の模様や、地域の課題を考える総合学習の授業を見学し、CSに参加する地域住民と懇談した。
桝屋衆議院議員は、「地域が学校に関わることで、多様な教育を提供し、地域の活力にもつながっている。教育を核とした地方創生を進めていきたい」と語った。
『16年度末に「3千校」めざす』
04年9月に制度化されたCSは、今年4月現在で42都道府県、187市町村で1919校が導入している【グラフ参照】。
制度化の背景には、生活スタイルの多様化や不登校、いじめ、学級崩壊などの問題に学校だけでは対応が難しくなってきたことがある。また、教職員だけでは硬直しがちな学校運営に地域住民らが参加することで、教育の安定性を高めつつ、子どもの個性に応じた教育を進めることをめざしている。
公明党は、CSの制度化以前から国会審議やマニフェストなどで「地域の創意工夫のある学校運営制度を導入すべき」と提唱。制度化後も全国展開を強力に推進してきた。
公明党の強い主張を受けて、文科省は、16年度までに公立小・中学校の約1割に当たる3000校にCSを設置する目標を掲げている。15年度予算概算要求では「学校を核とした地域力強化プラン」(約84億円)を新規で盛り込んだ。