総務企画委員会が召集され、「公共交通の確保」と「災害対策状況に関する情報発信」について、県執行部説明と審議事項に対する参考人意見聴取を行いました。
「公共交通の確保」は、参考人に、東日本大震災で被害の大きい鹿嶋臨海鉄道㈱から斉藤代表取締役副社長を。ひたちなか海浜鉄道㈱から吉田取締役社長を迎えて、まず被災状況の説明を受けました。
鹿嶋臨海鉄道は、新鉾田~大洋間の災害復旧の目途が立たず、現在一部復旧したものの全面復旧は、七月中旬以降になる見込みです。現時点での災害復旧費見積もりは、2561百万円。
ひたちなか海浜鉄道は、大きく二ヵ所が被害を受け、やはり七月中旬を目指しての復旧作業中です。現時点でも復旧費見積もりは、297百万円。
ともに共通しているのは、国の制度である災害復旧事業費補助制度としての鉄道軌道整備法に基づく補助(補助率1/2)の上乗せを要望していることです。
これは阪神淡路大震災時に適用された制度ですが、大阪の私鉄とは規模・経営体力が違うもので、そのままでは適用されないことも懸念されます。
本県や福島宮城等の小規模ながら地域の交通網として欠かせない鉄道、経営体力の弱く小さい鉄道については、全面的な支援が必要だと感じます。
また、費用面で現在代行バスを使用しているものの費用負担、今後の集客(観光客を含む)等、営業面でま資金不足にも大変な心配かあります。
そのうえで、鉄道が地域住民に愛され頼りにされていることがあらためて分ったことや、バス代替が口で言うは易く実際は輸送量や交通渋滞等を考慮すると簡単でないことがハッキリします。
私は、安全確保と経営体力と雇用について質問いたしました。
まず、余震が続く中で今後の安全対策をどう考えるか。
両鉄道ともに、鉄道再開通は、安全最優先として、今回程度の地震に耐えられる工事を目指して設計施工してく。
次に、当面の資金繰りの可否と財務上債務超過の可能性はないか。
ともに、それなりに積立金勘定に資金はあるが、すべて使い切るわけにはいかない。国や県の補助をできるだけ期待したい。債務超過にはならない。
更に、安全対策の鍵は人であるが雇用はまもれるのか。
経費節減に努め雇用は守る。鹿嶋臨海は、定年退職あるが新規採用はない。ひたちなか海浜は、今回一名増として更に経営努力したい。
後半は、「災害対策状況に関する情報発信」は、参考人に協同ピーアール㈱菅原取締役総合企画局長を迎えて、風評被害に対する情報発信について意見を聴取しました。
ここのポイントは、一つは県の広報体制のあり方であって、災害対策本部の広報活動が同であったかが問われます。そして、プロの目からみての風評対策が適切であったかどうかです。
県の広報体制は、数多くことを発信しているけれども、その苦労は大変で遭っただろうけれども、テレビのない茨城県としては動画等の即時発信力に欠けています。風評に対する情報発信は、即応性に欠けていたり、後手に回った感があります。
これは、いまに始まったわけではありませんが、動画発信に踏み切れない何かがあると感じてしまいます。
分りやすく言えば、責任の問題であり、一つは知事任せ。二つは不慣れや恐怖心。三つ目に各部の責任か広報担当の不在ではないでしょうか。
参考人の話で忘れられないのは、「情報を提供しないとマスコミは、情報を探ってくる。それは紙面が空くからだ。手法は、現場に行って直接聞かれる。アンケートを取るなどする。つまり、結果として風評拡大になる場合がある。だから、正確な情報を、具体的な情報を、数字のある情報を積極的に出すべきである」(趣旨)です。
発信続ける努力と、正確と適切な情報発信を、皆で心がけたいと思う。