【農業経営】食品販売企業と生産法人が共に利益追求できるウィンウィンの関係性を築こう。

 
 土浦市青年農業会議所が主催する講演会が開催されました。
 農業後継者の真剣なまなざしの中で、株式会社峯ファーム代表取締役坂入利一氏の「混迷する農業経営」を演題としての講演は、「将来が分からない農業にあって、何があっても大丈夫な農業経営」を目指そうとものです。
 ㈱峯ファームは、現在、エスビー食品を得意先としてハーブ類を出荷している水耕栽培・土耕栽培を家族と共に60人の労働力で経営されています。経営の特徴は、安定出荷・安定経営の主はエスビー食品との契約栽培であり、更に育苗と防暑対策が施された大型施設の導入設置、食品工場とも言える衛生的な生産ラインの設置、加えて労働管理の一元化など、先進の農業経営の実践にあるようです。
 しかしながら、今後も堅実に経営される確証があるのかと言えばそうではないようです。
 坂入氏は、①最低賃金の上昇等人件費の増加が経営を圧迫する。なかでも退職手当の準備は大変。
 ②消費税増税により売上が減少した。とともに、消費税負担増が影響する。
 ③減価償却に対する問題意識が必要。キャッシュフローとの兼ね合い及び利益への影響を十分に知る必要がある。
 ④円安により、包装フィルムやテープなどの資材費が上昇した。
 などが、経営を混迷させている現状と「生」の声が話されました。
 その上で、エスビー食品という企業と農家が共に利益を計上できる関係を構築する努力を惜しんではならないとのべました。企業側も、農林中金をもとにアグリ・フィチャー・ジャパン等を創設して、食品企業として頼りになる農家を必要としていることをしっかり知るべきだとしました。
 大型の換金性の高いの葉物栽培農家であり、大きな設備装置が必要な農業法人の実態と生の経営方法を聴くことができたことに感銘深くしました。
 その上で、農家はその各農家の経営形態により独自のスタイルが必要になるとも考えます。その意味で示唆的な講演であったと考えます。