【学生消防団】社会貢献に積極的な学生に消防団活動を認証し、就職に自己PR>

 各地の消防団は、地域防災の要であることは言うまでもありません。その必要性が高まっているにも関わらず消防団員の減少と高齢化が課題であることも指摘されています。
 総務省は、社会貢献としての消防団活動を学生の入団促進と共に社会奉仕活動を認証し就職活動にも活用してほしいと新しい仕組みを作りました。
 消防団活動の新しい裾野開拓にも資するものです。互助や共助への意識開拓にも有用ではないでしょうか。
 学生消防団活動認証制度
 『社会貢献に積極的であることを証明する認証状を渡し、就職活動に生かしてもらう制度。』
 Q 学生に消防団の入団を促す取り組みが始まったようだが。
 A 学生消防団活動認証制度という取り組みだ。これは、消防団の活動を熱心に取り組んだ大学生や専門学校生に対して、社会貢献に積極的であると認証する制度である。学生は就職活動をする際に、この証明書を自己PRに使うことができる。
 総務省消防庁が2014年11月、同制度を積極的に導入するよう全国の自治体に通知を出した。この通知を受けて、東京消防庁や秋田県男鹿市など各地で、制度が始まっている。
 Q 具体的には。
 A 例えば、東京消防庁が4月から始めた「特別区学生消防団活動認証制度」では、1年以上まじめに活動した学生団員に対し消防総監名の証明書を交付。就職活動に際して、それをエントリーシートに添付したり、採用面接に持参したりして、自己PRに役立てることができる。3月以前に入団した学生も対象で、既に24人(5月1日現在)に認証状を渡した。
 東京消防庁は、東京商工会議所など経済団体を通じて企業にも制度を周知している。
 Q なぜ、こうした制度をつくったのか。
 A 緊急時には、消防団を中心にした地域の防災力がものをいう。しかし、全国的に消防団員の減少と高齢化に歯止めがかからない。消防団員数は年々減少し、14年には86万人余りとなっている【グラフ参照】。1965年には20歳代の団員が全体のおよそ43%だったのが、13年は16・2%にまで落ち込んでいる。このため、現在の活動が維持できるのか懸念する声も挙がっている。
 こうした中、新たな消防団の担い手として注目されているのが学生だ。各地で学生を採用する動きも広がっている。
 全国に先駆けて大学生の消防団を組織した愛媛県松山市では、学校生活に支障が出ないように工夫し、大きな災害が起きて避難所が開設された際に物資を配布したり、外国人の被災者の対応に当たるなど、活躍が期待されている。