【観光立県】課題多し訪日外国人対応、ネット環境、外国語、新しい宿泊施設、そして「おもてなし」

 観光立国を目指す日本が、過去最多の訪日外国人を得て、数々の課題に直面しています。
 茨城県においてもネット環境や外国語の接遇、新しい宿泊の形態等に解決すべきものがあります。
 是非とも日本国内の共通課題に取組んで参りたい。
 訪日客急増で浮かぶ課題/改革迫られる日本社会
 2014年は、訪日外国人が過去最多の約1341万人に上り、その旺盛な消費意欲が国内景気の押し上げに貢献した。自公政権は20年の訪日客2000万人をめざしており、今後も増加が見込まれるが、観光立国に向けて、日本社会が対応を迫られる課題も少なくない。
 『ネット環境』
 『観光地ほど対応に遅れ/政府、20年に3万カ所整備へ』
 日本政府観光局の発表によると、3月の訪日外国人は152・6万人で過去最多。国・地域別で見ると、1位の中国は、昨年3月に比べ83・7%も増加し33・8万人。次いで台湾が27・8万人だった。
 また、観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、1〜3月に外国人が日本国内で使ったお金は7066億円で、前年同期と比べ64・4%増えた。訪日外国人1人当たりの平均支出は17・1万円だが、中国人の支出は30万円を超え、国・地域別でトップだった。
 円安が進み、昨年10月に消費税の免税対象が拡大したことが、訪日客の増加と消費拡大の追い風になっている。日本を訪れる観光客は、今後も大幅な増加が続くと見られる。
 一方で、急激な訪日客の増加に伴い、改善を迫られる新たな課題も浮かびつつある。
 11年の観光庁調査によると、外国人旅行者が困っていることの第1位は、インターネットに接続するための無料公衆無線LAN(WiFi)が整備されていないことだった。インターネット上には、英語や中国語をはじめ、各国の言葉で日本の魅力を紹介する情報があるが、外国の通信会社と契約する訪日客の場合、無料公衆無線LANを通さずにスマートフォンでネットに接続すると多額の通信料がかかる。
 空港やコンビニエンスストアなどでは既に公衆無線LANの普及率が約8割に達しているが、多くの訪日客が楽しみにしている観光地で設置が遅れており、国宝・重要文化財を置く施設では1割程度にとどまっているのが現状だ。
 無線LAN環境の整備を求める訪日客の声は、根強い。このため、総務省は、無料で使える公衆無線LANを、東京五輪が開かれる20年までに、全国3万カ所整備する方針を打ち出した。特に、普及が遅れている地方向けに設置費用を補助し、整備を加速させる考えだ。
 『言葉の壁』
 『『テレビ電話で通訳に接続も/日本人の苦手意識 除く努力を』
 言葉の問題も大きい。
 外国人が訪れる小売店などでは、従業員も外国語での対応を迫られる。ただし、訪日客の国籍は多様で、店頭の従業員だけで全て対応できるケースは多くない。このため、店舗とは別にコールセンターを設置し、テレビ電話で24時間体制で通訳する店舗もある。
 東京都は、外国人が安心して日本を楽しめるよう
 (1)都内の飲食店向けに多言語でのメニュー作成を支援
 (2)外国人旅行者には外国語メニューを置く飲食店を検索できる――
 という二つの機能を備えたウェブサイト「EAT 東京」を開設。同サイトでは、12種類の言葉でメニューを作成できるほか、アレルギーや宗教に配慮して、飲食時に注意すべき使用食材を、イラストや多言語で表示することもできる。
 日本人は、外国語に苦手意識がある人が多い上、シャイな側面もあり、外国人に話しかけられても伏し目がちに言葉を濁すことが多い。しかし、流ちょうな英語での会話を求める訪日客は多くなく、片言の単語や身振り手振りのコミュニケーションでも意思が伝わることが大半だ。観光業や小売業の従業員などだけでなく、一般の国民も含めて、「外国人と外国語が苦手」という心理的な壁を除いていく取り組みが求められている。
 『空港の混雑』
 『出入国審査など長蛇の列/“日本の玄関”の現状に懸念の声』
 空港の混雑緩和も対応が必要だ。周囲を海に囲まれる日本は、陸続きの欧州などとは異なり、訪日客の大半が空港を利用する。このため、国際線の混雑が、しばしば問題となっている。
 今年初め、大きな注目を集めたのが北海道の新千歳空港の混雑だ。北海道は、観光資源が多く、食材も豊富で中国人観光客などの間で大きな人気を博す。実際に、新千歳空港の国際線利用者は、11年の84万人程度から14年には154万人にまで急増している。
 さらに、円安や免税対象拡大の影響もあり、外国人観光客が大量のお土産を手にしているケースも多い。このため、荷物が多すぎて、X線検査機の処理能力が限界を超え、ベルトコンベヤーが詰まってしまう事態が起きた。
 新千歳空港の模様は、全国に報道されたこともあり、関心を集めたが、外国人旅行者による空港の混雑は、新千歳空港に限ったものではない。手荷物検査レーンや出国審査、免税店や空港売店などの長い列は、他の空港でも見られる。
 「外国人観光客を日本の玄関で待たせるのは印象が良くない」との指摘もあり、成田空港は、今年度から混雑する時間帯に限り、第2旅客ターミナルの入国審査場を2カ所開放。審査ブースを2倍に増やし訪日客の対応に当たっている。
 『宿泊施設』
 『世界で人気の「個人宿」/法的位置付け不明、業界は反発』
 旅館やホテル業界は、日本と諸外国の文化の違いを浮き彫りにする問題に直面している。
 近年、インターネットの普及に伴い、爆発的に世界に広がったのが、自分の家の空いている部屋に誰かを泊めたい人と、泊まりたい人を結ぶ「マッチングサイト」である。元々はバックパッカーの間で人気が出たが、今では普通の旅行客の利用も増え、サービスは世界192カ国、3万4000都市にまで広がる。
 日本でも、こうした個人宿サービスの利用を希望する人が増えているが、問題となるのが旅館業法との関係だ。通常、宿泊料を受け取って人を泊める場合、旅館業の経営許可が必要となる。旅館や宿泊施設の営業には、安全面や衛生面での規制があるが、営業許可のない人が、こうした基準を満たさずに宿泊客を格安で泊めていることに関係者は反発を強めつつある。
 諸外国でも、法的な問題を指摘する声はあるが、サービスが既に定着したために、条件付きで認める事例もある。
 14年に開催されたサッカーのブラジルW杯では、10万人以上がマッチングサービスを利用したといわれる。東京五輪の開催に向け、外国人旅行者の中には、こうしたサービスの利用を当然だと考える人も多い。日本の行政が、マッチングサービスをどう判断するか、関係者の注目を集めている。