復旧施策の進捗は安心感醸成のため急がねばならない。積極的に開示しなければならない。

 茨城県議会公明党県議四名は、6日午前、茨城県立中央病院の被災状況を視察し、震災日の対応や復旧状況を聞き取りして参りました。
 県立中央病院は、500床の総合病院。当日は、348名の入院患者が全員屋外に一時退避しました。
 本館の入院機能停止を判断した後は、本来100床のがんセンター・救急センターに入院患者を移動。野戦病院さながらの中で、3名の手術中患者の皆さん、透析患者の皆さん等をケアしながら、加えて災害医療支援活動として、他医療機関の透析患者の受入れや、原発事故の二次被曝患者の受入れ準備対応、福島県からの重症患者受入れ、看護師派遣等に奔走しました。
 DSCN1691 現在は、応急復旧工事により、通常診療体制にあります。
 それでも、本館の壁には、亀裂が入り仮修繕中、また受付場所である中央ホールは、大理石だった壁面のタイルが全面的に除去されるなどまだ震災の余韻を強く残しています。
 DSCN1697 このひび割れやむき出しの壁面が、患者の皆さんに不安を誘発している所もあり、早急な復旧が望まれます。
 やはり、ハード面でも瑕疵がないことが、患者の安心感になることは間違いありません。
 安全性も見た目から入るものですし、説明よりも修復終了の形が一番の解決方法です。
 
 永井病院長は、建物損壊状況判定の難しさに触れ、県担当者と設計士の判断が違ったことに、診療再開のタイミングを見るためにも課題を残したと話されました。また、停電と断水に対しては、災害指定病院として相応の設備があったことが奏功したおり、透析患者受入れや手術再開や各種診断機器の早期復旧は大変に良かった事とも述べられました。また、結核患者の隔離も感染防止体制も的確にできたと言われました。
 その上で、「普段から、止めない医療」を標榜して、準備を怠らなかったことで病院の全員の力が結集されたことと思うとされました。
 今後の課題は、診療のキャパを越えつつある現状の原因として看護師不足をあげられました。絶対数が不足することで、救急医療対応が難しくなる事態は憂うべきことと話されました。
 また、復旧には3億円程度必要であり、病院経営も健全性を確保しながら、復旧と再興に努めたいと話されました。
  午後は、田村県議とともに、笠間市福田に財団法人茨城県環境保全事業団「エコフロンティアかさま」の被災状況を視察しました。
 DSCN1708 同施設は、もともと地盤の強固な土地に立地していることもあり、低層の建物等に大きな被害はありません。ただ高層の溶融処理施設は、横揺れの影響で外壁等が落下したものです。
 この外壁は、溶融償却の粉塵飛散をとめる壁でもあるため早急に修繕したとの事。それでも本来の建材が手当てできずに、応急対応で急場を凌ぐ状況です。
 最終処分場である同施設は、震災により出た瓦礫等も含めて受入れ体勢にあります。例えば、大洗町では3000トン、1000立米を予想していますし、リサイクル材として対応難しい大谷石や瓦についても対応するなど、震災による廃棄物処理の一翼を担うことになります。
 私は、①水処理は、いままで通り大丈夫か? ②溶融スラグの放射線量検査をしてはどうか を質問しまた提案したく訪問視察しました。
 ①については、同地の地盤状況や漏水感知の設備が十分なレベルに有り、かつ適切に作動していることを確認しました。
 ②については、今後検討して頂く事となりました。福島市でも溶融スラグの再利用に放射線量多の可能性もあり、本エコフロンティアかさまは、再利用せず埋立しているものの市民の安心のために、検査することを要請しました。
 私は、その後県庁に行き、総務部と委員会質疑の件で意見聴取して参りました。
 六月議会は、震災対策の補正がメインです。国の対応次第ということなく、県として十分な復旧復興対策ができるように議会の一員として頑張りたいと思います。