昨日(23日)の新聞のコラムにハッとしました。
コラムは、災害に対する私たちの心のあり方を簡潔に教えてくれたものです。
「危機が迫っても”人間はなかなか逃げられない”事が分っている」という研究結果であり、同時に、「避難を決心してから実行するまでね平均93分」という調査の報告です。
そして、どんな特異な災害も無人の地域手起こればただの「現象」であり、人間と関わって「災害」と指摘しています。
コラムの「先々の用心」に私たちの英知を集めたいと思います。
名字の言
▼毎日の暮らしに必須の天気予報。その利便性が増している。ウェブサイトで雨雲の動きを確かめ、移動時間を決めることも多くなった。観測技術や伝達方法の発達の恩恵である
▼気象庁の「緊急速報メール」が今月19日から、これまでの地震、津波に加え、大雨、暴風、波浪、高潮、大雪または暴風雪、噴火の特別警報に対しても行われるようになった。これで、気象庁が特別警報に位置づける全てが「緊急速報メール」の対象となる
▼だが、こうした防災の環境整備の一方、重大災害は頻発している。9月に茨城県を襲った鬼怒川の氾濫は記憶に新しい。考えてみれば、特異な気象は、無人の地域で起これば、ただの「現象」であり、人間と関わって初めて「災害」となる。その意味では、防災対策の効果が十分に発揮されるかどうか、最後は人間自身にかかっているといえる
▼危険が迫っても”人間はなかなか逃げられない”ことが分かっている。避難を決心してから実行するまで、平均93分という調査結果もある(東京大学・総合防災情報研究センター「災害時に命を守る情報の伝え方」)
▼間もなく本格的な冬。これからは、大雪や暴風雪などの危険が高まる季節だ。「生命尊厳」は自身と周囲の絶対無事故から始まる。先々の用心を怠るまい。(由)