公明党の山口那津男代表は10日午前、NHK番組「日曜討論」に出演し、内政・外交の重要課題、今夏の参院選への取り組みなどについて、インタビューに答える形で次のような見解を述べました。
【連立政権での役割】
一、連立政権は公明党の持ち味、自民党のカラーを生かしてバランスを取って運営していくのがいいところだ。デフレ脱却をめざして、経済最優先、1億総活躍社会をつくろうとの方向で臨んでいる。
その中で、国民一人一人が輝く社会をつくろうという点では、きめ細かな社会のニーズをしっかりとつかみ、合意をつくり出す公明党の役割は極めて重要だ。与党の中での公明党のチェック・アンド・バランスの役割をしっかりと果たしていく。
【消費税の軽減税率】
一、(高所得者ほどより恩恵を受けるとの野党の批判に対して)幅広く適用され、軽減される「額」では高所得者も恩恵を受ける部分があるが、軽減「率」では(家計の消費支出に占める食料品の割合が高い)所得の低い人ほど恩恵を受ける。消費税の欠点である逆進性を緩和する効果は十分に果たせる。
大事なことは、消費税率を8%に引き上げた時の教訓だ。「重いな」という負担感で消費が落ち込み、経済の勢いを損なってはならない。軽減税率は痛税感を和らげ、“心の景気対策”となる点を見落としてはならない。
一、(導入に必要な1兆円の財源確保について)安倍(晋三)首相も社会保障を削って1兆円を出すことはないし、すでに約束した社会保障制度の充実はやり遂げると言われている。1年かけて歳入と歳出のそれぞれを見直しながら財源確保に取り組む。国税で15兆円、地方税を合わせて21兆円の税収増をどう生かすかもあるが、無駄を削る歳出削減の努力もあってしかるべきだ。
【米軍普天間飛行場の移設問題】
一、議論の出発点は、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の危険性を取り除くことだ。併せて、沖縄に対する(基地)負担を軽くする努力は、引き続き粘り強くやっていく必要がある。政府も(地元の)理解を得る努力を尽くすべきだ。
【夏の参院選】
一、公明党が連立政権の中にいることで、政治が安定している。国民が望む政策課題を広く受け止めて合意をつくり出すことに、連立政権における公明党の役割がある。具体的な政策をしっかり訴えていきたい。
参院選選挙区では(神奈川、愛知、兵庫、福岡で)新人候補を立てる予定だ。党勢を拡大して、さらに政権を安定させていく。与党としては、選挙協力を交え、(参院での)「過半数確保」が安定の重要な目標だ。
【憲法改正】
一、国会で議論を深め、国民と方向性を共有していく。非常にエネルギーのいる仕事だから、単に国会の数合わせでは済まない問題だ。国会の中で与野党を問わず、(憲法改正の発議に必要な衆参とも総議員の)3分の2(以上の賛成)という十分なコンセンサス(合意)をつくっていく課題だから、野党を含めて幅広い合意形成の努力が重要だ。