【軽減税率】所得が低いほど軽減税率の恩恵が大、痛税感緩和し消費を下支え。

 国会では軽減税率について議論が続いています。
 野党の議論は、痛税感に対する無理解と、税制に対する一方的な見解に基づいています。
 公明党の濱村衆議院議員は、これらの論難に明確な答弁を安倍総理に求め、軽減税率の重要性を明らかにしました。
所得が低いほど恩恵及ぶ
 衆院予算委員会は13日、安倍晋三首相らが出席して「経済・外交など」に関する集中審議を行い、公明党から濱村進氏が、2017年4月からの消費税率10%への引き上げに伴い、飲食料品全般(酒類・外食を除く)の税率を8%に抑える軽減税率について質問した。
 冒頭、濱村氏は、消費税(付加価値税)の軽減税率が欧州連合(EU)加盟全28カ国をはじめ世界各国で導入され定着していることを挙げ、「軽減税率は世界的に広く採用されている制度だ」と指摘。日本経済がデフレ脱却の目前まで回復してきている現状を踏まえ、日本でも軽減税率を導入することで、消費を下支えし景気の後退を防ぐ必要性を力説した。
 消費支出に占める食料品(酒類・外食を除く)の割合その上で、軽減税率による負担軽減額の家計に占める割合が低所得世帯ほど大きくなり、恩恵が及ぶことを示し、「軽減税率の導入は、特に収入が少ない人々への痛税感の緩和につながり心理的な効果が高い。消費意欲を削がない効果がある」と主張した。0114_1_g[1]
 これに対し安倍首相は「ご指摘の通りだ」と述べるとともに、消費支出に占める飲食料品(酒類・外食を除く)の割合が、年収200万円未満の世帯で同1500万円以上の世帯の2倍以上に上る【グラフ参照】とし、「所得の低い人の方が負担軽減の度合いが大きくなり、消費税の(負担感が低所得者ほど重くなる)逆進性の緩和につながる」との認識を示した。
 また濱村氏は、軽減税率導入で社会保障費が削られるかのような論調に対し「まったくの事実誤認だ」と指摘し、見解を聞いた。
 安倍首相は、軽減税率導入で想定される減収分1兆円の財源をしっかり確保し「必要な社会保障費を削っていくことはない」と明言。「社会保障と税の一体改革」で決定している社会保障の充実分2.8兆円を「削減することはない」と重ねて強調した。
 さらに濱村氏は、軽減税率導入に伴う事業者の事務負担を軽減する必要性を主張。21年度から「インボイス(適格請求書)制度」が実施されることに関しては、同様の方式を導入する諸外国の例を参考に、IT(情報技術)などを積極的に活用し事務負担を軽減するよう訴えた。
 林幹雄経済産業相は「商品管理や受発注、経理などの事務でITシステムを活用し、効率化していく工夫を講じることは重要だ」と応じた。