日本経済は、3年半にわたる自公連立政権の取り組みによって、長年にわたるデフレ(物価下落が続く状態)脱却へ向かいつつあります。内閣府が18日に発表した2016年1~3月期のGDP(国内総生産、季節調整済み)速報値は、2四半期ぶりプラス成長に転じ、15年度の名目GDPは8年ぶりに500兆円台に達しました。かつての民主党政権と比べて、大きく改善している点を、最近の主な経済指標などから紹介します。
日本経済は、この3年半で、企業の経常利益の増加や、賃金の引き上げ、有効求人倍率のアップなど明るい兆しも見られるようになりました。
こうした景気回復に伴う法人税収や所得税収の伸びにより、国税と地方税を合わせた税収は、年々増え続けて、90兆円を超えています。
直近の今年度では99.5兆円で、特に国税は57.6兆円となり、25年ぶりの高水準です。これは民主党政権時(2012年度)に比べて、国税で15兆円、地方税を含め21兆円も増えたことになります。
一方、GDPはプラス基調に転じています。年平均の実質GDP(15年度)は12年度に比べて、2%増加し、10兆円増の529兆円となりました。
また、経済の“先行指標”と言われる株価は民主党政権時代には、8000円台まで落ち込みましたが、現在は約2倍の水準に上昇しています。
雇用は、完全失業率が約19年ぶりの低水準となる一方、求職者1人に対する企業からの求人数を示す有効求人倍率の回復が顕著です。今年3月の有効求人倍率は1.3倍で、約24年ぶりの高水準。全ての地域で雇用情勢は改善しています。
就業者数(今年3月)も6387万人に上り、3年半前に比べ、約140万人増えています。一方、今年3月に卒業した大学生の就職率は、過去最高の97.3%と、5年連続で改善しました。
個人消費を拡大し、デフレからの脱却を確実にするには、働く人の賃金が今後も上がっていくという、明るい見通しを持てるようにすることが欠かせません。
正社員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)は、3年連続で実施されています。2015年度の賃金引き上げ率は17年ぶりの高水準に。中小企業においても、賃上げを行った事業者の割合は前年度比3.3ポイント増の67.6%に上り、全ての地域で上昇しています。
企業の業績は、大幅に改善されています。
収益力を示す経常利益は、2015年度の合計が33兆6600億円で、12年度の20兆500億円から68%アップしています。
設備投資も着実に増加しており、2年連続で70兆円を突破。15年度は約72兆円に達しています。
企業の景況感を示す業況判断でも、マイナス9(12年12月)からプラス7(16年3月)へと、16ポイント上昇しています。