「ポピュリズム」は、デモクラシーというパーティの厄介な客への共感。

 今日(1月18日)付けの公明新聞のコラム「北斗七星」は、「ポピュリズム」を考察して、水島治郎千葉大教授の近著を紹介しています。
 この分かりやすい例説を十分に理解して民主主義を機能させたいと思います。
 北斗七星
◆上品なディナー・パーティーに現われ、なりふり構わず叫ぶ泥酔客。居並ぶ人々の多くは、困ったような表情を浮かべつつも、内心ではこの客の指摘に密かにうなずいているのではないか。千葉大学の水島治郎教授は、近著「ポピュリズムとは何か」(中央公論新社)で、ポピュリズム(大衆迎合主義)をデモクラシーというパーティーに顔を出した厄介な客になぞらえ、例説している。
◆昨年は、英米の両国で、不安や怒りが政治を突き動かした。ポピュリズム側の弁護席に座るつもりは毛頭ないが、社会に対して疎外感を持つ人々の異議申し立てと受け止めたい。
◆民主主義は、出来上がった仕組みによってではなく、その理念や価値観を理解し、大切にする人々によって守られ、機能するという。それならば、穏健で民主的な価値観の担い手になってきた、かつての中間層が希望を持てる社会を取り戻さねばならない。
◆泥酔客を門の外へ締め出したとしても、今度はむりやり窓を割って入ってくれば、パーティーは台無しになるだろう。水島教授の警告である。日本も対岸の火事ではあるまい。
◆政治に何が求められているのか。どう解決すべきか。各党が20日召集の通常国会で議論を掘り下げてほしい。パーティーの成否は、パーティー(政党)の踏ん張りにかかっている。(明)