宮城県、岩手県の被災地を視察させて頂き明けて今日。
土浦市と被災地の最大の相違点は、「ガレキ」にある。
「ガレキ」の量は言うまでもない。すべてが「ガレキ」なのだ。地震と津波に襲われるまで、それは資産であり、思い出の証であり、愛情の形であったと思う。そのありとあらゆる全てが「ガレキ」になった。破壊尽くされたものが「ガレキ」であった。
「ガレキ」の状況を見れば、復旧の進捗は明確だ。何と言っても、既に震災以来四ヶ月が経っているのに、手付かずの「ガレキ」の山だ。道路を覆う「ガレキ」を寄せて道路を造る。私有財産に対する手続きも必要だ。撤去し移動するための解体を行う。分別をする。運ぶ。積み上げる。最終処分を考える余裕はない。その過程が、被災地によって大きく差がある。
公明党は、政府の対応が遅れる瓦礫処理を、徹底して国が行うことでスピードアップする政策を提示しました。
時機を得たものだと思う。それでももっと早く対応して欲しかったと思う。菅内閣には任せられない。被災者を見ていないし、復興のための厳しい現実を見ていない。一日も早い「ガレキ」の撤去と最終処分を望みます。
以下、公明新聞掲載の公明党瓦礫処理の内容です。
公明新聞:2011年7月9日付
公明など4野党が共同提出 国の責任で処理を迅速化
がれき処理特措法案
東日本大震災から間もなく4カ月を迎える。
復興はおろか復旧も遅々として進まない被災地の惨状を前にすると、もはや「天災」という言葉は当たらないことを痛感する。現下の状況は、菅政権の無為無策がもたらした「人災」と見るほかない。
「人災としての3.11」を象徴する光景の一つが、岩手県陸前高田市や大槌町、宮城県石巻市など、被害が特に大きかった被災地に広がる“がれきの山”だ。
その量は「自治体単独では対応できないレベル」(宮城県廃棄物対策課)であることが当初から分かっていたにもかかわらず、政府はこの4カ月間、「地元丸投げ」の姿勢で傍観し続けてきた。本格的な復旧・復興へと至る道筋が見えてこない最大の要因である。
こうした中、公明党は1日、がれき処理を国の責務として促進する「災害廃棄物処理特別措置法案」を自民党などとの4野党共同で衆院に提出した。本来なら政府・与党が提出すべき法案だが、菅政権の体たらくを思えば、立法府から国の対応を促すしかないと判断した結果だ。
政府は1週間も遅れて8日、がれき処理についての特例法案を衆院に提出したが、政府・与党も早期成立に全面協力してもらいたい。
4野党の法案は、被災自治体の要請に応じて国が、がれき処理を代行できるようにするほか、処理費と施設整備・運営費の全てを国が補助することを明記。さらに、がれきの仮置き場と最終処分場の確保など7項目にわたる「国が講ずべき措置」も規定し、国が前面に出て、がれき処理に当たることをうたっている。
今回の震災で生じたがれきの推定量は、岩手、宮城、福島の3県で2183万トンにも上る。12年分の一般廃棄物を一度に抱えたことになる。しかし、処理の進捗率は6月28日現在、3県平均でわずか32%程度。「8月末までに全て仮置き場に」という政府の方針は事実上、破綻している。
がれき処理の停滞で危惧されるのは、復旧・復興の遅れだけではない。
本格的な夏の到来で、がれきに交じった魚介類からは悪臭が漂い、ハエや蚊が大量発生している。台風シーズンに入れば、がれきの山が崩れて大事故を招きかねない。がれきに含まれる発がん性物質アスベスト(石綿)が住民に与える健康被害も懸念される。
「人災」をこれ以上拡大させてはならない。そのためにも、がれき処理特措法案の成立を急ぐべきことを重ねて指摘しておきたい。