【ドクターヘリ】二年目の挑戦、広域性と緊急性の高度化で救える命を最大救命しよう。

 今日は、第3回茨城県ドクターヘリセミナーに参加して参りました。
 ドクターヘリについて茨城県は、基地病院を二ヶ所とする全国初の試みで昨年7月に運行開始、ちょうど1年を経過しました。
 本年からは、茨城県、栃木県及び群馬県3県で広域連携を図ることとなり、ヘリの特性を活かした利用促進、人命救助の新しい展開が図られました。
 今日のセミナーは、特別講演として「東日本大震災時におけるドクターヘリの活用」と題して、福島県の基地病院である福島県立医科大学付属病院救命救急センター部長である田勢長一郎先生(医学博士)の講演がありました。
 講演では、緊急性の高い外傷患者を受傷から1時間以内手術療法などの根治療法をする有効性を示され、県内共有財産であるドクターヘリを県内病院との協力体制、消防防災ヘリとの役割分担、対象者の明確化などにより円滑運行の実を追及すると話されました。
 また、災害時は、DMATの管制下で統制され、DMATの持つ通信手段が最も有効であったと述べられました。
 福島第一原発事故においては、原発30km以内の医療活動のあり方、20km以内の飛行不可等に、ドクターヘリの装備や医療活動の可能性、民間操縦者への対応等の課題があったと話されました。
 また、夜間の機体管理や給油体制の問題や、被爆医療のあり方は未解決な問題が多数存在することで更なる研究を要するとしました。
 続いて、県内で最も出動要請の高いひたちなか市消防本部の司令システムが事例発表され、更にパネルディスカッションとして、茨城県内拠点病院の各救命救急センター長、運航会社の機長、消防本部の救急救命士のお二人からも実態に即した有意義な説明がありました。
 質疑では、ドクターヘリとドクターカーのどちらを選択すべきかとの問いかけがありましたが、ドクターヘリもドクターカーも目的は人命救助であり、両方ともに出動要請することが正しい考え方との意見も出されました。
 茨城県のドクターヘリは、全国上位の水準にあるものの市町村により、要請件数の差異があるのが現状です。
 ドクターヘリは、へりの現場到着段階が、病院の緊急外来到着以上のものと同じであり、更なる効率的運用が求められます。
 ドクターヘリ二年目のチャレンジに期待したいと思います。
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