【震災農業】農業資本の投下は、水耕栽培工場も一形態か。農業は一次産業から旅立つかもしれない。

 農業の技術革新に挑む協和㈱ハイポニカ販売部を公明党東日本大震災対策本部農林水産業対策チームが視察するため結城郡八千代町を訪れることから私と田村県議が合流して視察致しました。
 説明による「ハイポニカ」農法は、植物自体の潜在的成長力を最大限に発揮させる環境作りにより飛躍的な生産量を目指すものです。
 その結果は、通常種子1株1個から13,000個のトマトを結実させたことで有名になりました。
 今日は、その現場を目の当りにしてきたものです。
 いわゆる水耕栽培のジャンルですが、従来型の土耕を溶液培養に交換したと言うものではなく、この水耕の目指すところは、①根の温度の安定 ②肥料の安定供給 ③根に酸素の供給 ④たっぷりの水量を水耕栽培という農法にすると言うことでしょうか。
 この農法は、農業経験は不要にするかもしれません。農産物成長の最高最大の環境ですから、土壌病害も連作障害も回避できると言います。加えて食味すら調整可能と言います。出荷時期も自在になるとも説明がありました。
 これは、農業ではないと思います。既にハイポニカ生産農家は全国にいるようです。農産物工場いや、農産製造業に展開して行く可能性かも知れません。
 問題点は、やはり初期投資にあります。事業の大型化は避けられません。そして、それは、作物は工業でも、出荷過程は人海戦術にならざる得ない現実、作物の価格決定権はやはり生産者にはないという現実、農産物の付加価値性は生産過程では分かりにくい現実が、変わらないように思えてなりません。
 農業の衰退は、働き手の衰退です。高齢者をトラクター等の機械が支えて今日まで来ましたが、機械購入のための農家では存続できません。労力に見合わない金銭では存続できません。
 その意味では、水耕栽培は新しい農業の形であり、巨大資本の投下が農業を救うかもしれません。と同時に農家は淘汰されるかもしれません。
 本視察、東日本大震災で壊滅状態の農業への新しいアプローチの模索であり、国が先行投資する何もなくなった地域への資本投下の事業形態の模索であったように思います。農業経験のない方の近代?農業かもしれません。
 蓮根農家出身者の私としては、少しばかり悩ましい課題です。
 最後に、巨大トマトの樹になったトマトは、美味しかった。食味も良く、口元の食感も素晴らしかったとお伝えします。
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