【学ぶ】活字の余白に学び、語彙の深みに親しむ。読書する生き方を拡げたい。

 終日、県議会議員面会室にて、提議した一般質問の各項目について、各部担当者と質疑を行いました。
 幅広く、また内容によってはジャストヒットとならないものもあり、少しばかりお疲れモードになりましたね。やはり各課を広く網羅する案件や国の施策に準するもの、少し先んじたの案件等は、打てば響くとはいきません。まあ、これからが勝負と言うところです。
 さて、「本を読む」と言うことに関して、歌人の道浦母都子氏は、自身が短歌を作るキッカケになった一首をこう紹介しています。
 その短歌は、『きけわだつみのこえ』にある戦没学生の「音もなく我より去りしものなれど偲びぬ明日という字を」だそうです。死を前にして、明日を偲ぶ切なさに心が揺れます。
 さて、道浦母都子氏は、活字文化について、読書や活字を通し、人は「創造する豊さ」を得るとして、自らは為しえない経験を、イキイキと知るには読書しかないと言われます。加えて、本の余白こそが、人生の豊かさを彩り、学ぶ姿勢を育むと指摘。更に、語彙の豊かは日本語だけの特質であり、例えば「薔薇」にはカタカナ表記にない、においたつ姿形を映す美しさがあると教えて下さいます。
 東日本大震災により、人の心は大きく揺れ動きました。そして、こころの「ぶれ」が生じることで、明日の希望を失う方もいるかも知れません。だからこそ、経験の創造である活字文化、読書の習慣を学校教育に本格的に根付かせたいと思います。人生は、単に反応することで、オンとオフの世界ではありません。多様な心の有り様を、文字として定着させ、伝え、学ぶことがこれからの日本の豊かさとなると思われます。