建設資材を販売する会社経営者の方とお話しました。
社長さんは、官製談合について嘆きつつ、こうお話されました。「役所の積算が完全と言うことはない。机上の積算で、実効価格や実効予算になっていないことがある。資材で言えば、『もうその部材はありません』という事もある」と。業者の積算能力は、中小企業にも課題がありますが、発注サイドにも課題がある場合があると言うのです。
また、ある会社が、脱談合宣言をしたところ、その会社が入札参加すると多くの会社が辞退したという話もあります。
更に、談合摘発が本当に地方の中小企業育成に繋がっているかどうか疑問があると言う意見もありました。それは、積算能力からも地方の企業参加の門戸を閉じ、結果として東京の大手業者が入るチャンスになっているというものです。そして、地元企業育成がならないと。
全てにおいて矛盾を感じます。ある業者は、最低価格を至上とするのではなく、相応の幅の中で、コンピーターのランダム抽選にしても良いのではないかと言う社長もいました。
談合問題は入札制度の根幹を揺るがす問題です。しかし、その正当性の紙一重のところで凌ぎを削り、地元企業を育成するとの参加と排除の矛盾をこれからも悩み続けなければならないのでしょうか。
その意味では、「人」の問題であるに違いありません。機会均等と企業努力の尊重、適正価格の適正工事が調和する入札制度を作るためには、やはりしっかりした牽制作用が必要だと思います。