【県議会】国は、茨城県の被災状況を直視すべき、東北三県との差を理解できない。

 今日は、26日から始まる茨城県議会総務企画委員会質問概要を作成しております。
 知事直轄では、東日本大震災や放射性物質測定結果を知るために閲覧が増加した県ホームページについて、①知りたいページが見つけやすかったか ②内容が分かりやすかったか ③参考になったか をポイントに改善点を質問するつもりです。
 また、企画部では、東日本大震災や今後の首都圏直下型地震等の懸念から、東京脱出のTX沿線企業の動向をどう見るか、及び地価動向を質問する予定ですが、もう少し練りこまなければなりません。
 更に、総務部では、官製談合の「人」の部分を質問します。究極は「人」に尽きると言わざるおえません。
 まだまだ勉強して、ポイントを外さない質問を目指します。
 さて、22日の私の一般質問の質疑中、橋本知事回答の震災復興についてを以下掲載します。これは、タイミングが遅いように思えるかもしれませんが、政府の対応が遅いから徒に過ぎ去った時がそう思わせるのだと感じます。ここが大事なところと考えての質問です。どうぞお読みください。
 公明党の八島功男でございます。
 初めに、昨日の台風15号、また台風12号の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。河川増水、土砂災害は、今も、そしてこれからが心配です。どうぞ油断なく万全を期して頂きたく存じます。 
 未曾有の東日本大震災から6ケ月。復旧、復興は緒に付いたばかりです。今も東京電力福島第一原発事故は収束しておりません。私たちはセシウムを初めとする放射性物質の脅威と向き合い、戦わなければなりません。「正しく恐れること」で、最善を尽くした行動をとって参りたいと思います。
 本日は、本会議における当選後初の質問の機会を頂きました。
 昨年末の県議選に挑戦するにあたり、「『なんのため』の県政であるか」を真摯に追及することを決意致しました。声なき庶民の側から、県民お一人お一人を大事に守り抜くこと、「人間主義の政治」が、私の政治信条でございます。
 諸先輩の皆さまには、峻厳さとともに寛容あるご指導を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
1.東日本大震災復興について
(1)被災地としての茨城県と東北三県の位置づけ
 最初に、東日本大震災からの復興についてお伺い致します。
 まず、被災地としての茨城県と東北三県の位置付けについてであります。
 橋本知事は先月、当時の平野復興対策担当相、片山総務大臣を訪問し、茨城県及び県内市町村を東北三県及び三県市町村と同様に取り扱うことを求める要望書を提出されました。知事は、「茨城の被害額は2兆5千億円、地震保険支払額は1千400億円に上る。旅行先として避けたい地域に、57%の人が茨城を挙げる」と被害の深刻さを訴えられました。
 無論、茨城県は被災県であります。地震、津波の被害は類例なく、県土は激しく毀損し、原発事故による風評被害は甚大です。   
 茨城県は、首都圏を支える食の宝庫です。農業産出額第2位を誇る食糧基地の危機を理解できない政府の対応は許しがたいものがあります。是非とも復旧・復興が一時として停滞することなく、茨城県民の切なる願いが国に届きますよう最善のご努力をお願い致します。
 7月に開かれた、国の東日本大震災復興対策本部において、「東日本大震災からの復興の基本方針」が決定されました。
 そこには「東北地方の有する多様性や潜在力を最大限活かし、一体になって取り組むことにより、新しい東北の姿を創出する」など、東北地方に限定した言及があり、さらに先月、農林水産省が発表した「農業・農村の復興マスタープラン」においても本県は記載されていませんでした。本来ならば、ここには東北地方と並んで茨城県が記されるべきであり、違和感を覚えます。更に、本日の新聞紙面に「東北3県に500億の震災復興基金を3次補正に盛り込む」とありました。ここにも茨城の文字はなく、怒りさえ覚えます。すべての復旧・復興施策に格差や遅れが生じないことを切に望みます。そこで、あらためて被災地としての茨城県と東北3県の位置付けについて橋本知事のご所見をお伺い致します。
橋本知事
 八島功男議員のご質問にお答えいたします。はじめに、東日本大震災復興についてでございます。
 まず、被災地としての茨城県と東北三県の位置づけについてご質問をいただきました。
 東日本大震災による本県の被害額は、議員ご案内のとおり日本政策投資銀行の推計によれば、2.5兆円と福島県の約8割に達しておりますほか、地震保険支払総額も福島県とほぼ同額になっていることなど、本県は東北三県についで大きな被災をした県であると私は認識しております。
 しかしながら、国の補正予算や復旧・復興対策においては、ややもすれば東北三県を中心に考えられがちであったという思いを強く感じております。
 例えば、国が復興基本方針を作る際にも、東北三県だけが対象になっている記述が極めて多かったため、県として働きかけを行い、「被災地域」という表現に直していただきました。
 また、政府の財政支援制度などで東北三県のみが対象になっているものについては、その都度、本県も同様に対象とするように働きかけてきたところです。
 その結果、本県に対する地域医療再生臨時特例交付金の上限額が東北三県と同額まで拡大されるとともに、中小企業等の施設・設備の復旧設備に係る補助制度が本県にも適用されるなど一部の支援制度において改善が図られたところであります。
 さらに、先月には、平野復興担当大臣と片山総務大臣に対して、本県の実情をしっかりとご認識いただくとともに、必要な支援については差をつけることないようお願いしたところであり、平野大臣の視察の際には、「茨城県の方々との意見交換の場を設けながら復興対策を進めていきたい。」とのコメントも頂いたところであります。
 しかしながら、まだまだ本県に対する国の認識は東北三県に比べ十分ではないと思われますことから、本県選出の国会議員の方々などの力もお借りしながら、本県も東北三県と同様の支援をうけられるよう引き続き強く国に働きかけてまいります。
(2)被災地としての茨城県と東北三県の位置づけ
八島功男
 本県の復興ビジョン次に、本県の復興ビジョンについてお伺い致します。
この震災からの復興基本方針には、「あらゆる力を合わせた復興支援」についても示されており、「国の総力を挙げた取組み」の最初の項目で「復興特区制度の創設」及び「使い勝手のよい交付金等」を掲げています。
 この「復興特区制度」は、土地利用再編手続きの一元化、迅速化のため規制、手続きの特例を講ずるものですが、適用地域や特例措置の範囲など制度設計の詳細を待たなければならないようであります。
また、「使い勝手のよい交付金等」は、地方公共団体が自ら策定する復興プランの下、復興に必要な各種施策のできる交付金と位置づけられております。事業対象の自由度の向上や執行の弾力化、手続きの簡素化等は、本県の復興を加速化すると同時に、茨城県の復興構想の具体像を問いかけるものと考えます。
本県では、今年度から新たな茨城県総合計画「いきいき いばらき生活大県プラン」に取組んでいるところですが、東日本大震災、福島第一原発事故を受け、本計画の見直しと共に、復興に向けた明確なビジョンも必要であると考えます。
復興構想は、未来性のあるアイデアと、実行スケジュールのスピード感が大切です。また、茨城県の好感度向上や、県民共通のモチベーション向上にも繋がることも可能であります。
そこで、県民に笑顔が戻り、橋本知事の希望あふれる復興ビジョンについてのご所見をお伺い致します。
橋本知事
 次に、本県の復興ビジョンについてでございます。
 東日本大震災は、地震・津波により本県にも甚大な被害をもたらすとともに、福島第一原子力発電所事故は、依然として確たる収束の見通しが立っておらず、県内全域に極めて大きな影響を与えております。
 現在のような状況が長期間続けば、県民の日常生活だけでなく、これまで築き上げてきた本県の経済基盤そのものが崩壊しかねない状況にあります。
 そのため私は、県民生活や経済活動を一日も早く元の姿に戻すため、早期の復旧・復興に努めるとともに、原発事故の影響に対応するため、放射線量の測定など県民の健康を守る取組や、風評被害に苦しむ県内観光産業や農林水産業への支援などに全力で取組んでまいりたいと考えております。
 議員ご指摘の復興ビジョンでございます。本県における被害の状況を見ますと、沿岸部から内陸部まであまねく大きな被害をうけておりますが、一方で東北三県と異なり、一部地域を除き、これまでの積み重ねが無に帰すような状況までには至っておりません。
 従って、私としては、県全体としての新たな復興ビジョンを策定するというよりは、現在の総合計画を、大震災の影響を踏まえしっかり見直し、東日本大震災の経験を反映したものにしていくことが適当ではないかと考えております。
 もちろん、地域によりましては、極めて大きな被害を受けている市町村もございますので、そうした市町村が復興プラン等に基づき復旧・復興対策を進めていく場合には、県としても全力で支援してまいります。