本日の総務企画委員会では、残念な報告がありました。
それは、「宿泊利用率日本一連続記録」「日本一を支えるおもてなしの心」で有名な国民宿舎「鵜の岬」に棚卸資産の過大計上という不適正経理があったと報告されたことです。
調査によれば、鵜の岬の経理担当課長と担当者が、平成20年から棚卸金額の額を実際よりも過大に計上したのは、食材等の原材料の在庫だということです。その額は8月末で70,887千円との事。ずいぶん大きな金額です。
なぜ不適正経理がなされたのかは、説明によると、月例会議での原材料費率の目標達成を問われることに、実態と乖離していたために調整したということです。特に、前経理課長の指示を拒否できなかった経理担当者も残念な結果になりました。但し、組織的な態様ではないということです。
加えて、架空仕入れや外部流出等は、公認会計士の調査でも認めることはできなかったとのことで、着服や横領などの事実はなさそうです。
既に、対象者に対しては。停職1月等の処分が決定しており、過大計上の棚卸資産も23年度決算で特別損失とすることになっているそうです。
再発防止については、①外部監査の強化 ②棚卸資産管理規定の整備 ③内部牽制の強化 ④人事異動の適正化 ⑤法令順守意識等の醸成を具体的に講ずるとしています。
この話題は、本当に残念です。
私は、本日午前中の総務部の委員会審議で、官製談合の「人」の部分を質疑しました。その中に、平成19年の県各部局にあった不適正経理の反省を込めた全長調査報告書を指して、不適正経理の背景には、「不適正経理をやむを得ない」とする誤った風土があるとの自己反省の言を再確認しました。
本件は、「やむない」と少し違い「追い込まれた」感はありますが、厳しく言えば県職員の「甘え」の体質がにじみ出ると感じます。もっと言えば、今を何とか切り抜ければ何とかなるとの「甘え」だと思います。
加えて、組織の風通しの良し悪しが問われてしまうとも考えます。日本一になった原動力とは別のところで、日本一を傷付けることとなれば、多くの不幸な事象になります。未然に防ぐとは、何でも言いやすい環境ですし、人の心は千差万別なのですから、もてなす心遣いが部下にも向かうことが少しだけあれば良かったと感じます。
それにしても、鵜の岬に宿泊することを楽しみにして下さるお客様には、今まで以上のもてなしの心で接遇して欲しいと願います。