今日は、私の一般質問の詳細の掲載の最終回とします。
もうタイムリーではないようなので、アーカイブ掲載となるものです。それも意味あることと是非ご理解下さい。
さて、掲載分のうち、介護保険関連は、来年度からの介護保険料水準と地域包括ケアシステムの更改ににより、保険料の上昇と介護サービスの劣化を懸念したものです。
保険料については、介護保険財政安定化基金の取り扱いに焦点がありますし、今後を占うことができます。
また、介護サービスも行き着くところ介護する人の問題になります。介護を担う方々のご苦労に報いることが必要だという主張です。
さらに、官製談合は、掲載の通りの内容です。「不規則入札アラートシステム」という提案がポイントです。このアラートシステムを本当にシッカリ取り組むと、色々なことが分かってくると期待しています。それはねやはり「人」の関与です。そこに、牽制作用わ持たせたいと願っての提案です。
最後は、いわゆるご当地質問であり、地元関連なことは、種々のご意見もあろうかと思いますが、ご理解頂けると有難く存じます。
6.介護保険制度について
(1)介護保険料水準と介護保険財政安定化基金
次に、介護保険制度についてお伺いします。まず、介護保険料水準と介護保険財政安定化基金についてであります。
第177回国会において、「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が成立し、6月22日に公布されました。今回の介護保険法改正は、高齢者が地域で自立した生活が営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取り組みにポイントがありますが、より重要な点は、来年度(平成24年度)から26年度までの第5期介護保険事業計画において、都道府県設置の財政安定化基金の一部を取り崩し、第1号保険料への充当を可能にする特例が設けられたことです。
これは、第1号被保険者となる高齢者の負担は、5,000円が限界との声を受け、介護保険制度の財政の抜本的な対策が見通せないなかでのやむを得ない措置と理解致します。
本県の第4期保険料の平均は3,717円と全国で2番目に低い水準にありますが、第5期保険料は、単純に国が見込んだ25%の延び率で試算すると、4,600円を超えることが予想され、現在4,375円と、本県で最も高い守谷市では、保険料が5,000円を超えることが懸念されます。
そのため、平成18年度以降貸付や交付実績がなく、昨年度末で38億2千4百万円となる、本県の介護保険財政安定化基金が、3分の1ずつ国・県・市町村へ返還され、市町村においては保険料に充当されることが現実になって参ります。
ついては、私は、基金取り崩し後の県返還分について、介護保険事業に用いることを要望致します。そこで、次期介護保険料水準の見通しと介護保険財政安定化基金の取り崩した後の県返還分の取扱いについて保健福祉部長のご所見をお伺い致します。
根本保健福祉部長
次に、介護保険制度についてお答えいたします。
まず、介護保険料水準と介護保険財政安定化基金についてでございます。
介護保険料の設定につきましては、現在、各市町村において、中学校区を単位とした日常生活圏域ニーズ調査を実施し、サービス見込み量の算定作業を行っているところです。
今後、サービス見込み量を取りまとめ、保険料の見込み額を推計していくことになりますので、現時点では、第5期保険料の水準の見通しをお答えできる段階には至っておりません。
また、議員ご案内のとおり、今般の介護保険法の改正により、保険料の上昇幅を抑えるために、介護保険財政安定化基金の一部取り崩しが可能になりました。
この基金は、保険料の未納や介護給付費の見込みを上回る伸びなどによる市町村の財源不足に際して、資金の貸付を行うことを目的に設置されており、今回、可能となります基金の取り崩し額は、過去の基金の活用状況や第5期の介護サービスの見込み量などを勘案しながら、決定することになります。
県への返還分については、「介護保険に関する事業に要する経費に充てるよう努めるものとする」と法に明記されておりますので、活用方法については、介護サーービス基盤の整備、介護サービスの質の確保と向上などの事業が想定されるところでございますが、効果的な活用方策について、今後、検討してまいります。
(2)介護職員処遇改善事業の推進施策
次に、介護職員処遇改善についてであります。
安心して老後を暮せる社会の構築のために、私たちは、多くの困難な課題に直面しています。その中で、的確な介護ニーズの掌握と制度設計は、地域の実情を踏まえた介護施設の充実と介護現場を担う介護職員の皆さんの活躍に期待されます。その意味からも、介護のスキルアップと雇用継続の根幹である待遇改善が大きな課題です。
そこで、日常生活圏ニーズ調査に基づく地域包括ケアを推進するための具体策を踏まえ、介護現場の質的向上のための課題の一つである介護職員処遇改善事業の推進施策について保健福祉部長にお伺い致します。
根本保健福祉部長
次に、介護職員処遇改善事業の推進施策についてでございます。
今回の法改正の趣旨である、地域包括ケアシステムの実現のためには、利用者のニーズに即した、24時間の定期巡回・随時対応型サービスや介護職員によるたんの吸引など、医療と介護の密接な連携強化が必要となります。
こうしたことから、医療との連携を図れる質の高い介護人材が求められ、人材を確保するための処遇改善が一層必要となってまいります。
これまで、県では、優れた介護人材の確保のため、介護職員処遇改善事業を実施し、賃金改善に一定の効果が見られておりますが、この事業の実施期間が来年3月までとされていることから、中央要望や全国知事会等を通じて、次年度以降も処遇改善策を講じるよう、国に対して強く要望してまいります。
また、介護職員の確保・定着を図るためには、賃金改善の他に、事業所による資格取得や研修参加への支援、メンタルヘルス面の配慮など、職場環境に関する処遇改善も重要でございますので、管理者研修会等を通して、事業所の体制づくりを進めてまいります。
7.官製談合防止のための入札制度見直しについて
次に、官製談合防止のための入札制度の見直しについてお伺いします。
今回明らかになった談合の概要や、行政監察による庁内調査、また職員の綱紀粛正や法令遵守意識の高揚は当然のこととして、ここで触れません。
私は、「組織における違反行為は、組織のシステムの中で自浄解決されるべきである」との観点から、入札制度に談合防止のフィルタリングや適宜モニタリング機能等を付加すべきではないかと考えます。
官製とは茨城県職員という茨城県自身の問題であり、自らの事案を自ら解決できないとなれば執行部のガバナンスも、組織のオペーレーションも意味をなさないと考えるからです。具体的に、目に見える形を県民に提示できなければなりません。
現在の入札制度は、平成18年12月の全国知事会の「都道府県の公共調達改革に関する指針」に基づき、特に電子入札システムの運用も段階的に対象となる予定金額を引き下げるなど、一般競争入札の範囲拡大や、総合評価方式の導入、入札参加停止等のペナルティの強化が図られました。加えて現在は職員に対する刑罰規定も明記し、官製談合の抑止力となる制度整備を図ってきたものです。
これ以上の不足があるのだろうかと考えますし、土木部・農林水産部・警察本部・教育庁の監理部門は今回の改善措置要求に対して、忸怩たる思いであろうと察する次第です。
そのため、土木部として「人」の問題とするだけではなく、組織のあり方をも検証検討する必要もあろうかと思います。
まず、入札制度の中で実施している「入札金額の事前公表」を今後も継続すべきです。入札金額の公開は、中小企業の育成や公正な競争を阻害するとの意見もありますが、公開は、発注の秘密性をなくすことであり、透明性が担保されるものです。
さらに、落札決定の指標として、例えば「不規則入札アラートシステム」のような、過去の入札記録を徹底して分析し、談合の可能性を段階的に注意喚起するシステムの構築が必要と考えます。
今回の公正取引委員会の指摘は、ある意味見事に談合の典型例を指摘しておりますが、「人」が介在する談合には、ある種の傾向性があると考えられます。
そのため、入札金額の分布、業者の入札順位等の変化する数列や、業界動向等の定性項目を解析したアラートシステムで、不規則入札懸念の検証を過去の履歴分析により実施してはいかがでしょうか。
そこで、官製談合防止のための入札制度の見直しについて土木部長のご所見を伺い致します。
後藤土木部長
次に、官製談合防止のための入札制度見直しについてお答えいたします。
今般、公正取引委員会から、堺地区等の建設業者に対して排除措置命令等が出され、県に対しても改善措置要求がなされたことは、極めて遺憾であり、県民の皆様に深くお詫び申し上げます。
県では、これまで、公共工事の入札制度について、手続きの透明性、競争性、公正性を確保する観点から、一般競争入札の導入や総合評価方式の拡大、電子入札制度の全面導入などを図ってまいりました。
さらに、予定価格につきましては、透明性の向上を図るとともに、発注者に対して予定価格を探る不当行為を防止するため、平成13年7月から、事前公表制度を導入したところであります。
また、談合など、建設業者の不正行為の再発防止を図るため、ペナルティ強化といたしましては、指名停止や営業停止の期間の延長、賠償金の引き上げを行ってきたところであります。
さらに、入札・契約のチェック体制として、外部の有識者で構成する茨城県入札監視委員会や、談合疑義に迅速に対応するために、庁内の職員で構成する公正入札調査委員会を設置するなど、様々な取り組みを行ってまいりました。
こうした中、今般、公正取引委員会から改善措置要求を受けましたことを、深刻に受け止め、真摯に対応していかなければならないと考えております。
このようなことから、県といたしましては、入札制度の透明性、競争性のさらなる向上を目指し、総合評価方式の各事由、一般競争入札や指名競争入札の参加資格数の設定、予定価格公表の方法など、入札制度全般にわたり検証を行ってまいります。
また、先月30日に設置されました、入札談合等関与調査委員会からのご意見も踏まえながら、今後入札制度の見直しに向けて、全力で取り組んでまいります。
その中で、議員ご提案の「不規則入札アラートシステム」などにつきましても研究してまいりたいと考えております。
8.都市家計画道路土浦新治線及び国道354号バイパスの整備について
最後に、都市計画道路土浦新治線及び国道354号土浦バイパスの整備についてお伺いします。
土浦市北部市街地の渋滞緩和のため本年2月7日供用開始した都市計画道路土浦新治線及び国道354号土浦バイパスは、現在暫定2車線で開通。6号バイパス土浦市中貫の渋滞を避ける車両、また旧354号手野地区の隘路を避ける大型車両により期待以上の交通量があり土浦市北部の動脈になりました。
また、今般、354号土浦バイパスの東側のおおつ野に、土浦協同病院が移転新築することが決定し、更に交通量増加と緊急車両や高齢者運転車両の増加が見込まれます。そのため、早期の4車線化と木田余バイパス西入口交差点の改良が望まれます。
そこで、都市計画道路土浦新治線及び国道354号土浦バイパスの整備について土木部長にお伺い致します。
後藤土木部長
次に、都市計画道路土浦新治線及び国道354号バイパスの整備についてお答えします。
この二つの路線につきましては、土浦市街地の渋滞緩和や、常磐道土浦北インターチェンジへのアクセス性の向上を図るため、国道125号と接続する土浦市若松町交差点から、おおつ野団地入口交差点付近までの延長約5.9キロメートルについて、4車線での計画された道路であります。
これまでに、整備効果の早期発現を図るため、暫定2車線の整備を進めてきており、本年2月に全線が開通したところであります。
この開通により、かすみがうら市方面から常磐道土浦北インターチェンジまでの所要時間は約15分短縮されるなど、常磐道へのアクセス機能が格段に向上したところであります。
今年度は、更なる通行の安全確保を図るため、木田余地内における歩道整備や、県道と交差するバイパス西入口交差点の右折車線の設置などを行う予定としております。
今後の4車線化につきましては、区間内で最も交通が集中し、高い整備効果が期待されます、JR常磐線の袴線橋前後の現道拡幅区間約500メートルを、重点的に整備することとしております。
このため、来年度から袴線橋の設計や用地測量などを実施し、拡幅区間の用地取得を進め、早期整備に取り組んでまいります。