2008年9月15日の「リーマン・ショック」から3年。
アメリカ・ニューヨーク、「強欲な資本主義」象徴とも揶揄されるウォール街は、格差是正と貧困撲滅を訴える若者が「ウォール街を占拠せよ」とばかりに抗議のデモを行っています。
10月1日のデモ行進は、約1500人が参加し、700人がマンハッタンに架かるブルックリン橋の車道に許可なく進入したとして逮捕されたようです。
これらのデモは、インターネット上の交流サイトであるフェイスブックなどを通じて呼びかけられたとされ、全米からヨーロッパにもそのデモの拡大となりました。但し、各地のデモは、デモの主体が同一ではなく、穏健なものが突然過激な者の進入で暴徒化するなど、すべてが同一と言えないものもあるようです。
今日の読売新聞4面には、デモの仕掛け人となったカレ・ラースン氏の記事が掲載されています。同氏は、社会は雑誌「アト゜パスターズ(カナダ・バンクーバー)」の創刊者で、2008年の金融危機は全世界に影響があったのだからカナダから戦いを挑む権利があると主張しています。更に、手馴れたデモにも見えることに対して、中核の数人は各地のデモに参加し、組織化と食料供給等を学んだと述べています。その上で、ネットでのデモ生中継が情報発信として強力で重要とも話します。加えて、今後は明確な要求が出ると予想し、「投機目的の金融取引に1%の税金を課したいと述べました。
それにしても、格差社会の現実は私たちにも心迫るものがあります。
「アメリカ人は、富める1%が国民全体の所得の25%を受け取り、冨の40%を保有している」とか「1%の1%による1%のための政治」と言われては、デモも必至です。
これは、世代間格差に顕著で、日本でも失業率、特に大学新卒者の就職率や、非正規雇用を見れば、大学進学のためのローンすら自ら返済することは難しい現状です。
ましてや社会保障費の増大や、国の借金の増大は、確実に将来負担を加重にさせ、経済や雇用は、その返済を担保できる保証はありません。日本においては、少子化に最大の課題があります。
経済・雇用対策は、国も県も市町村も、現場の行き届いた目を持って対応すべき喫緊の課題です。新しい価値の創造が求められます。