【地域防災】100万人避難計画は可能か。同心円の対策でいいのか。前線基地はどうする。

 原子力安全委員会が発表した原発事故に備えての重点地域の変更により、茨城県は新たな地域防災計画を立て直すことができるのだろうか。
 いわゆるEPZ(10km圏内)が福島第一原発事故で実質的に無意味なことは理解していても、今後30km圏をもって、住民避難誘導の骨子を作成するのは困難であると考えられる。
 予防防護措置区域(PAZ) 原発から5km圏  特定の事故発生で直ちに避難
 緊急防護措置区域(UPZ) 原発から30km圏 避難、屋内退避の準備をする
 放射性ヨウ素対策地域(PPZ) 原発から50km圏 安定よう素剤配備などの準備をする
 この東海第二原発のUPZ圏内には、対象人口は94万人、市町村は15市町村。特に県庁所在地である水戸市、何よりも事故対策の前線基地となる県庁舎がUPZ圏内となるとなれば、ハード面からの抜本的な対策が求められよう。
 100万人避難計画を如何に策定するのか。圏の地域防災計画改定委員会の検討部会は議論を深め作業を本格化すると思いますが、困難なテーマが現実になったと思います。
 とすれば、やはり東海第二原発がなければと言う議論が当然発せられるもので、廃炉についてもテーマにしなければならないと考えます。
 また、放射性物質の拡散は、このような同心円状にならないことは明確であり、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の実態からは、更に柔軟で臨機応変な対策が必要となります。
 今回は、甲状腺被爆を避けるためのヨウ素剤について触れていることは、福島第一原発事故の反省とすれば過去の事故対応が如何に杜撰であったかの証左でもあり、この発表以上に、福島第一原発事故の分析を徹底的にしなければならないと思います。なによりも、福島第一原発の収束が待たれるのです。
 東海第二原発を地元東海村は、年明けに選挙を迎えます。選挙を通じて、東海第二原発への判断が深まることを祈るように見つめています。原発に関わり整形する方の判断の重さを感じてなりません。東海村の存立の是非を問う選挙選に際して、極端な白黒議論ではない時間と手法がベストマッチする政策が提案され深められることを願います。私も、より真剣に検討したいと決意します。