【震災復興】南三陸町、宮古市の復興への壮絶な戦いに学び、リーダーシップなき政府に抗議したい。

 日本学術会議会員、中央大学教授である佐々木信夫氏が会長である財団法人日本自治創造学会が主催する「大震災を越えてー地域の復興と自治の再生ー」をテーマとする学術会議セミナーに参加しました。
 会場は、宮城県仙台市の東北福祉大学の講堂で、被災地にての開催は意義のあることだと思います。参加者は、600名を越え、ほとんどが地方議員でした。国ではない、災害の現場からの復興支援の発信に賛同して参加しました。
 セミナーは、まず東日本大震災復興構想会議で議長代理であった御廓貴東京大学教授の「大震災からの復興~復興ビジョンと政治の力」の講演、次いで東京大学教授(都市工学)石川幹子氏の「復興ビジョンと共生のまちづくり」の講演、更に、元志木市長穂坂邦夫氏の「復興のまちづくり、自治の再生」の講演がありました。
 休憩の後、被災地の現場からの報告が、宮城県南三陸町佐藤仁町長の「宮城県南三陸町の被災実態と復興の挑戦」、岩手県宮古市山本正則市長の「岩手県宮古市の被災実態と復興の挑戦」との報告がありました。その後両首長さんと御廓氏石川氏のパネルディカカッションがありました。
 御廓氏は、復興構想会議が管総理によって作られたものの丸投げであり、問題点が何かから議論しなければならずスピード感に欠け、更に官総理の異常なまでの官僚嫌いと官僚排除によって作り上げられた実態を話しました。
 石川氏は、中国における大地震対応と日本の違いの特色として、世界に開いた救援要請や顔の見える都市と都市のペアリングによる被災地支援等を紹介し、自らが宮城県の復興会議に携わっている現在、被災地ごとの地勢や災害実態等を本当にきめ細かく把握対応することの重要性を語られました。この講演は、十二分に説得力があるもので、私も再度確認し研究したいと思うもの多々でした。
 穂坂氏は、議員と首長経験者の悪弊で、自己主張を時間を超過して押し付けるもので、場内からブーイングであり、本会には不要でした。
 本セミナーの最大の興味は、お二人の首長の報告でした。
 まず、お二人とも若い方でした。緊急事態対応は若さがなくてはならないのかと思わされました。そして、修羅場をくぐった方の強さがありました。それは、誰よりも自分の市町や住民を守るというものと思います。今も他県他地域にいる住民に心配りする精神の広さかもしれません。
 報告は、やはり津波のすさまじい被害から始まります。その中で、①命がけで市民を守った方が大勢いる。 ②市職員、消防団、警察等の献身の姿があった。 ③地震と津波災害は違う。例えば死者はいても怪我が少ないのが津波である。 ④原発事故(放射能)と地震も違う。復興会議がそれらを同一としたことは失敗。 ⑤地震・津波は、3.11以降すぐに復旧復興に入れるが、原発は今でもそうならない。ここが分からない管政権であった。 ⑥防災協定を結んだ遠隔都市とからの救済が嬉しかった。厚労省に言ったら保健師不足は解消しなかったが、協定都市の首長は家具に対応してくれた。 等のお話でした。
 本当に参考になりました。そして、リーダーシップの欠如した官内閣が3.11にあったことの不幸を恨みたいと思います。「二次補正はいらなかった。遅すぎる」「二次補正は、管首相の延命でしない」と明確に言い切れるお二人の首長の現場を身を挺して戦う覚悟に敬服しました。
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