土浦市の来年度予算要望を終えてから、下妻市とつくば市を訪ね、自動車部品製造業を経営する方と商店会でリーダーシップを執られる店主の方と懇談し、現状を教えて頂きました。
自動車部品製造の現場は、少し前から部品製造が東南アジアに100%移転する方向とされ、同社もあと二、三年の受注をして、事業のソフトランディングを目指そうとしていたそうです。
しかし、先日のタイ国の洪水で状況は一変。サプライチェーンが本当にタイ国で良いのかが議論されるようになったとの事です。つまり、洪水という自然災害は、タイ国の地勢から今後も避けては通れないものではないかと言うことです。であるならば、部品製造の拠点分散化が必要であり、日本も含めて再検討していることが現在だとのお話でした。そのために、少なくとも一、二年の受注確保、いや延長がなされたと話されました。
そして、事業と言うものは、想定外のことの連続であり、製造業として真面目に、資金の効率性と内部留保をしながら歴史を刻むことで、何としても生き抜いていかなくてはならないし、そうなるものと確信していると話されました。
次に、商店会のリーダーは、観光の拠点とも、特産物販売の拠点ともしてきた古い商家が、所有者の意向で使えなくなり、また東に変大震災で古い土蔵が崩壊したりして、商店会の名所が打撃を受けたとの現状を教えて下さいました。そして、行政の支援の難しさを理解しながらも、歴史的な建造物の再建費用の多額さは、もう一般家庭や庶民の力では対応できないことも理解してほしいとのお話でした。
それでも、多くの方の熱意で再建し、コンサートなども徐々に開催されるようになれば、地域の活性化につながると期待を寄せておられました。
また、商工会や商工会議所にも、資金と人材の不足があることから、もっと工夫した支援方法が必要との指摘もありました。
今日、お話させていただいて方は、多くの経験を、多くの人との間で積み重ね、地域のリーダーとして、どちらかと言えば縁の下の礎となった方です。ですから、決して声高に何かを求めるということはありません。だからこそ、現状を冷静に見つめておられますし、各方面の限界もご存知です。時の流れに、ある種の諦観と、変化への期待も込めて見ておられると感じます。
私は、この方々がいらっしゃるときに、その知恵を継承する施策や事業が必要だと思います。連綿と続く事が、地域そのものを創りゆくと確信するからです。
一人では儘ならないからこそ、一人から二人への流れを創って参りたいと思いまする