【補正予算】復興基金はどこまで届くのか。余りに少なくあまりに遅い。これで越年できるのだろうか。

 12月2日に開会する茨城県議会平成23年度第4回定例会に提出される議案の内示説明会が会派別にありました。
 この補正予算の概要は、国の第三次補正予算約12兆円を受けたもので、特に「東日本大震災復興基金」を活用しての、被災住宅復旧などへの支援を行うものなっています。
 よって、財源は、災害復旧等の国庫補助金と震災復興特別交付税の活用するもので、一般財源充当分は約3億円の繰越金とする旨の説明がありました。
 本補正予算の規模は、一般会計526億83百万円(補正後1兆2,800億88百万円)、企業会計6億52百万円(補正後1,162億48百万円)合計で533億35百万円を補正するもので、補正後の本件予算は、1兆6,114億54百万円と過去最高水準を更新します。
 また、当初予算に対する比較は、通年では、2,399億77百万円の補正をし、前年予算比較では116.2%の出来高になります。
 さて、主な事業は、何といっても東日本大震災復興基金積立金140億3百万円の計上です。
 そして、その半分70億円を「市町村復興まちづくり支援事業」として市町村が行う復興事業に対する交付金とするものです。
 これは市町村が自由に使用できるいゆわる一括交付金ですが、現時点で各市町村への配分額は決定していないとのこと。
 本交付金が市町村で予算計上されるには次期議会を待つということになりそうです。
 配分額については、被災状況の査定が未決ということで44市町村が納得し、そして自由とは言いながらもある程度県事業と競合したり重複しないこと、また事業手当して欲しいことなどがないとは言えないことから、相当頭を悩ませている状況のようです。
 私もまた市町村民も、この交付金に期待するところが大であり、いわゆる公共事業から一歩「民」へ前進した、言い換えれば「困っている生活弱者」の皆様に行き届く資金であって欲しいと願います。
 ただ市町村では、既に先行して手当している事業や被災者支援を実行している所もあるように聞いており、交付されたとたんに使い切るような、これまた「真水」とならない事も懸念します。
 つまり、この金額では足らないということです。
 さて、他の事業では、被災した個人住宅復旧のために借り入れたローンの利子1%相当分5年間の利子補給事業、その事業者版で半壊以下や間接被害に対する利子補給も計上されています。
 また、期待していた補助事業としては、国指定・国登録・県指定の文化財、国選定重要伝統的建造物群保存地区の復旧事業も計上されました。
 これで、土浦市は「矢口家住宅」が復旧されることになります。まだまだ不足があるとはいえ一歩先進しました。
 放射能汚染廃棄物対策等事業は、汚染牧草等の焼却処分費、しいたけ原木等の搬出処分費、学校給食食材の放射線量測定器「簡易スペクトロメーター」購入費、検査対応職員の配置やモニタリング情報対策も強化されました。
 全体としては、国の補正予算に伴うもので、復興基金の配分に関するものです。まずは、140億円は執行部の努力による成果もあると評価し、その上で、これでは足りないということに尽きます。
 それは、阪神淡路大震災の時の復興基金の事業充当を考えれば、もっと生活弱者対策が施されるべきです。
 端的に言えば、利子補給はローンが組めるから利子補給ができるのであって、高齢者や収入低位の方は銀行が融資に向かいません。
 また、居宅で生活する前提は敷地の安全性ですが、地割れした敷地や擁壁の崩壊は対応する融資メニューはありません。リフォームローンは居宅であって土地リフォームなど発想にありません。
 つまり、国が対応しなければどこも対応できないのです。特に高齢者の場合、年金を返済原資としても75才までがローンの最高年齢です。もちろん誰も死去しますから何歳まででも良いわけはありません。しかし、その高齢者がふつう住めない棄損された居宅に居るしかないところが現実なのです。こに手が届いていない補正予算だといわざる負えないと嘆くのです。