【霞ヶ浦流入河川モニタリング】川底に高いセシウム測定、底泥に吸着した放射性物質の除去が課題。

 環境省は、12月2日「茨城県内の公共用水域における放射性モニタリングの測定結果について」をホームページで発表しました。
 これは、各省庁がバラバラに監理し測定していた放射性物質モニタリングを環境省が中心に整理して総合モニタリング計画を策定し測定を開始したものです。
 茨城県内では、環境基準点等128地点を継続測定します。河川93地点、湖沼・水源地12地点、沿岸・水浴場23地点です。
 調査内容は、放射性ヨウ素131、放射性セシウム134、同137の測定し、「水」「水底(底室)」「河川の両岸」などの放射性物質の濃度及び空間線量を測定し公表しています。
 土浦市では、霞ヶ浦流域河川である①境川の国道354境橋、②新川の神天橋、③桜川の栄利橋、④備前川の備前川橋、⑤花室川の親和橋を地点として、「水」「底質」「同地点の右岸と左岸」を測定しています。
 加えて、霞ヶ浦の中心地点(湖心)の「水」「底質」が近隣測定地点になります。
 なお、前記のように県内128地点がありますので、詳細は環境省ホームページをご参照ください。
 さて、問題は、測定結果です。
 残念ながら「底質」に、県内でも最も大きな測定値が出てしまいました。
 新川・神天橋では、セシウム134が2,600bq/kg、セシウム137が2,900bq/kg、計5,500bq/kgです。
 次いで、備前川・備前川橋では、セシウム134が1,200bq/kg、セシウム137が1,400bq/kg、計2,600bq/kgです。
 また、境川・国道354境橋では、セシウム134が1,100bq/kg、セシウム137が1,200bq/kg、計2,300bq/kgです。
 霞ヶ浦湖心は、水は、不検出で、底質では、セシウム134が81bq/kg、セシウム137が140bq/kg、計221bq/kgです。
 以上が気になるところですが、私見を言えば、
 ①「水」にそのものには、ほぼ検出されない。水には吸着しないのではないか。
 ②やはり、流れてくるセシウム等は、沈んで底泥に吸着している。
 ③加えて、測定値の高い地点は、水の流れの滞留し河口に流出しない所である。新川も上流から大量の水が来る河川とは言えない。備前川も川と言うより水路である。そして、共に、この夏アオコが異常発生したところという共通点がある。
 ④つまり、今後も放射性物質の滞留定着が懸念される。
 ⑤現時点では、同地点の両岸の空間放射線量も異常値ではないことが幸い。土壌はバラツキがある。
 ⑥大雨が降ると水量が増えて放射性物質の移動が懸念される。
 ⑦この地点の水生小動物等を子どもたちが、釣りをしたりすることは注意したい。
 以上です。
 本年9月の私の一般質問で、自然の摂理として放射性物質は、川に流れ込み、下流に向かい、霞ヶ浦に至るということを誰もが進発していると質疑しました。そして、最大の懸念は、水の汚染であると質疑しました。
 現時点では、前半部分はその通りになっています。後半部分は、水の性質からか不思議なくらい検出量が微小です。0ではないことから健康被害がないとは言えません。しかし、不安は尽きません。
 まだまだ測定作業の継続と詳細な分析が必要です。加えて、対処療法と言われてもその都度心配を取り除く除染作業が必要です。ここに注力したいと思います。
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 新川・神天橋
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 備前川・備前川橋
 是非とも、詳細を環境省ホームページにて参照下さい。