公明党茨城県議会の井手県議・高崎県議・田村県議と私は、午前中に北茨城市のウェディングパレス美鳳を訪ね、今回の東日本大震災から中小企業が復旧整備するにあたり補助する支援策の適用状況や経緯を調査して参りました。
この制度は、経済産業省が震災で被害を受けた事業用の施設などの復旧整備を支援するもので、中小企業1社に対する支援策ではなく、複数企業をグループとして支援するものです。中小企業の復旧を単独ではなく、グループとして支援することで被災地域に大きく起用することが目的と言えます。
ですから、対象者は、大企業も参加できる中小企業グループや組合、商店街という概念です。このグループについては、一つはグループ企業という親子関係等のグループもあり、商工会等がイニシアチブをとる地域のグループという考え方もあります。そして、支援希望のグループが、復興事業計画を作成して、県に申請するものです。茨城県では、一次二次と二回の申請受付をしており、今後3回目の資金枠取りと受付が期待されている所です。
県は、地域経済等におけるグループ機能の重要性や被害の大きさを踏まえて、計画を認定し補助が決定します。茨城県では、つくば市の観光業者グループやその他のグループを認定しています。
なお、補助率は、国が1/2、県が1/4の補助をするもので、被害設備の復旧費用の3/4が補助されるものです。
今日、面談させて頂いたウエディングパレス美鳳の小田社長は、同施設が、高萩市と北茨城市で一軒だけの100名超の宴会設備を持つ施設であり、結婚式をはじめ地元に無くてはならない施設として頑張ってきたもので、震災後も何としても復旧したいと願っていたが、資金繰りは厳しく諦めかけていた時に、この支援策を公明党井手県議から聞き、そして支援決定を受けることができた。本当に感謝していますと話されました。
まだ、3つある宴会場は、一つが何とか復旧しただけで完全ではないが、この忘年会シーズンは稼働できたと、震災後、津波が押し寄せ、1階ロビー等のすさまじい被害を語りながら話されました。
その上で、補助金交付の決定はしたものの、資金が受け取れるのは来年春以降ということで、当面の資金繰りは銀行に頼らざる負えないところの改善を依頼されました。また、まだまだ多くの震災と津波の被害を受けた事業会社は多くあることから、もっとこの制度が周知されて、更に広く地域経済の復興に利用されることを願っているとも話されました。
同社では、3.11当日は、昼過ぎでもあり従業員だけの時間帯だったそうです。津波がみるみる間に砂浜と国道を超え、玄関に押し寄せました。打掛着物やドレスが津波にのまれ、床上30㎝が瓦礫と海水と泥に埋まったそうです。宴会場では壁が倒れ、シャンデリアも天井から落ちたそうです。
それでも、翌日であれば子ども達のパーティがあり危険だったことを考えると本当に助かったと言われました。また、春の婚礼が3組予約されていましたが、もちろん予定通りではなかったもののキャンセルはなく、後日結婚式が挙行されてなど、震災と津波と放射能風評にありながら、全てを前向きにいい意味で楽観的に捉えて頑張っておられました。ここに地域の柱としての責任と自覚があるのだなと感動します。
このような地域になくてはならない企業や、困難に負けないで頑張る企業や事業者の再建を何としても手助けしたいと改めて決意します。
今、平穏なこの海から津波が押し寄せました。砂の海岸線と、国道6号と駐車場を越えて、瓦礫の濁流が容赦なく押し寄せたのです。