土浦協同病院の移転新築動向が気になります。
現在、土浦市真鍋で診療中の同病院は、昭和23年8月の農協法の施行により厚生連経営となって発足し、昭和45年5月に同地に拡充整備して移転しました。現在の東棟は、昭和53年4月に竣工しており、当時600床、昭和59年に増築して700床、平成元年に救急センターを竣工して865床となり、その後も若干の増築により最大1017床迄拡張された経過があります。現在は、917床と茨城県南の中核病院として確たる地保を築いてきました。
この協同病院の移転は、現病棟の老朽化と狭隘化によるもので、移転先については数々の市議会や市民等との交渉経過をもって、JEF商事所有の土浦市おおつ野2・3・4丁目の「土浦ニュータウンおおつ野ヒルズ」に決定しました。土浦市内で、市街地として開発造成されながら大きな一団の土地があったことが決め手と思われます。
さて、新病院の基本的な考え方は、快適な療養環境の提供するとともに、地域に密着し開かれた総合医療センターの構築にあると思われます。
そして、新病院の規模は、病床数800床。延床面積は、約78,000㎡。地上10階建、免震構造の病院が予定されています。おおつ野の現在街区で言えば、30、76、77、79、80、81街区の計195,995㎡、60万5千坪が病棟や駐車場として整備されます。
今後の工程は、基本設計を25年1月を目途に、施行を平成25年から2年間程度、その後3ケ月の準備引越作業を見込んで、平成27年6月の開院を目指していくようです。
土地についても、全体の購入計画がほぼ合意され、基本的には施行に合わせた二段階の購入を予定し、相応の価格で折り合うこととなりそうです。施行については、消費税の引上げ時期も関係することから、計画の前倒しも考えられるようです。
合わせて、病院経営の最大課題は、医師の確保に尽きるものです。同病院といえども、現在規模の診療科目を継続し網羅的な医師を確保することには、相当の危機感があると思われます。医療過誤に対する訴訟懸念もあり、今後外科や産婦人科の医師不足は如何ともし難く、また医大の系列化による医師供給システムも今後を保証するものではありません。
つまり、協同病院と言えども、最新最高の医療環境を医師にも提供し、同時に患者の先進医療チャンスを作り上げなければならないのです。ここに本質的な医療の問題点があると思います。医療過疎の問題は、相当水準と言われる茨城県南地域においても避けては通れません。どちらかと言えば、現在以上の水準を常に目指さないといけないと言うことだと思います。病院新築あたっても病院という形に、医師という医療の中核をもっと検討して行きたいと思います。