東日本大震災で液状化被害を受けた潮来市日の出の「県営日の出住宅」復旧工事の見学会に参加して参りました。
本見学会は、茨城県土木部都市局住宅課が主催し、地元四市と各建設関連業界が協力して、昨年7月に引き続きの開催となりました。
21日22日の両日開催された見学会は、昨日が59名、今日が26名の参加があり、参加者からの質問も具体的に、自宅復旧の方法を真剣に探す様子が垣間見れました。
内容は、液状化抑制工事と住棟ジャッキアップ工事の概要説明と実地見学です。
液状化抑制工事は、既存建物を残したままで、建物と塀など間に小型の重機が入ることを前提に、相応の効果とできるだけ安価な費用を考慮して、今回採用した「アースドレーン工法」です。
この工法は、透水性の高いポリプロピレン樹脂性の人工ドレーン材により、地震の際に発生する土中野過剰間隙水を速やかに地上に排水し、過剰間隙水圧を消散させることで液状化を抑制しようとするものです。
このドレーンは、今回は長さ5メートル、直径100mmのもので、土壌の水を効率的に吸収する範囲が直径で700mmとして、打設範囲も700mmとしました。そのため本県営住宅では62~70本の打設となるそうです。
具体的には、ドレーン挿入のために、まずケーシング打設により挿入穴を作り、ドレーンを挿入、水を注入して安定化させて、ケーシングの抜き取りをすること繰り返しになります。重機は、地質調査用のものを使用しましたが、今後は更に小型化することでより多くの矮小な敷地に対応することができそうです。
なお、建坪80㎡、延床面積130㎡の場合のアースドレーン工法は、460万円程度ということです。更に、以下のジャツキアップでは、590万円程度ということで、本県営住宅の震災復旧と液状化対策は950万円程度の費用となるようです。
ジャッキアップについては、震災による傾斜の復旧方法として今回採用したものです。
傾斜の復旧方法はね他にも多数ありますが、
①既設建物に対して可能か、
②日の出地区は1m程度採掘して地下水が出る中で採掘を伴う工法が適切か、
③コスト面はどうか、
④注入した場合に注入材は拡散しないのかなどを検討したものだそうです。
ジャッキアップすることで傾斜の復旧をするだけでなく、基礎配筋・型枠建込による基礎の強化も同時に施行され、戸今後の備えも検討されていました。
ともあれ、この日の出地区で、最も早く復旧するのが県営住宅になるのでしょうか。本年4月の新入学新年度に間に合うように急ピッチの工事が進められています。復旧により見違える県営住宅となるとともに、先駆的に復旧し、シンボリックな形で、町の復興に資することが大事だと思いました。