【年金財源】民主党は議論に値する試算を示し、責任ある態度を示すべきだ。

 社会保障と税の一体改革と言っても、その中核は「年金」制度であることは論を待ちません。
 そして、この年金制度のあり方が、民主党の制度、財源公表を避ける姿勢や、公表するとしても議論に値するものかどうかが問われています。
 昨日の石井啓一公明党政調会長・茨城県本部代表・衆議院議員の記者会見の内容こそが、現時点の課題の本質です。
 今一度、議論の出発点を確認したいと思います。
 公明党の石井啓一政務調査会長は6日午後、衆院第1議員会館内で記者団に対し、政府・民主党が年金抜本改革の財源試算を公表する方針を決めたことについて、大要、次のような見解を述べました。
    
 一、与野党協議に応じる前提として、年金の将来改革の議論に対応できる(試算)内容かが重要だ。報道されている試算が、そういう位置付けに民主党内でオーソライズ(承認)されるかどうかだ。
 一、(試算が)民主党で検討の一過程として試み(で作成され)たもので、(今後)変わる可能性があるならば、それを基に議論するのは難しい。民主党の年金抜本改革の議論に値するのか位置付けをはっきりさせてほしい。試算を出したからといって、直ちに与野党協議に応じられるものではない。
 一、最低保障年金がどういう制度になるか。収入のいくらから逓減し、なくなるか。消費税、受け取る年金額がどうなるか。数字がないと議論できない。
 一、仮に協議に応じたとしても、(年金抜本改革案を)そのまま認めることではない。(試算を)出した上で、実現可能性が低いということで論戦したい。論戦前に(民主党がマニフェストに掲げた年金一元化と最低保障年金を)「撤回させてほしい」というなら、それで結構だ。きちんと協議できる案を出すか、案を出せないなら撤回するかの、どちらかだ。
 
 ミニ懇談会等でお話をお聞きすると、最低年金が明日にでも給付されると解釈されている方もいます。つまり、制度論と給付の現実の形を国民の皆さんの理解を得る努力が必要だと思います。これからの年金制度問題の展開を慎重に理解したいと思います。