【休眠預金】ここまで重箱の隅を突くのか。少額で超多の財産を法と政府は守れるか。

 今日の新聞壱面の3番目の記事に、「休眠預金 復興に活用」がありました。
 所謂銀行等の預金で、10年以上入出金履歴のない「休眠口座」の預金を、東日本大震災復興支援策に使用するというものです。
 前職銀行員としては、「良くこんなところに気が付くなあ」と感心しきりです。そして、「いくら何でも私有財産である預金を一定期間移動なしを事由にして国が使用できるのだろうか」と疑問を持ちます。
 確かに10年以上入出金のない預金はあります。少額の場合が殆どですが、相続すべき預金でありながら不明不詳となるものもあるでしょうから多額の預金もあることでしょう。
 銀行は、休眠口座について、預金額や名義等々の持ちうる情報を管理店舗が1件1件を精査して、休眠預金口座とするか一般口座にするかを決定しています。
 そして、更に一定期間の後、銀行の雑益処理としています。しかし、預金者(相続人等も含む)から払い戻し要請があれば、雑損処理して払い戻しに応じています。当然、利息も付けます。
 
 そんな管理面からみれば、あまり思いつきで私的財産を公的に接収するような事は如何と思われます。
 国は、休眠預金を銀行管理から、どこかの第3者機関等に移管する法律でも作るのでしょうか。そして、休眠預金の払い戻しは従来の銀行が受け、第3者機関は銀行の支払い分を補てんするという仕組みでも作るのでしょうか。
 一方で、「お金は使わなければ意味がない」のかもしれません。また、この最終タンス預金こそが日本の力なのかもしれません。
 私は、拙速ではなく法の概念と財産権について、時間と所有を十分検討して結論付けして欲しいと思います。