国の国家戦略室は、日本国の将来像を検討し、実現へのビジョンをまとめようとする部会があります。
私は、この「国家戦略室」のホームページを時折開いては、「こんな事考えてるのか」と感心すること多多です。
内容の是非はともかくなのですが、この検討部会には、選任された委員の皆さんが持論を述べるために多くのプレゼン資料を用意します。これらは示唆的なものが多いと感じます。どうぞ「国家戦略室」のホームページをお訪ね下さい。
次の文章は、「フロンティア分科会」の趣旨説明です。
【日本人が「希望と誇りある日本」を取り戻す上で重要なのは、中長期的に目指すべき国の将来像を示すことであり、その実現のため、切り拓いていくべき新たなフロンティアを提示することです。フロンティア分科会は、2050年までを視野に入れた我が国の将来像を描くとともに、国際的・社会的環境が大きく変化すると予想される2025年に向けた方向性を検討し、その内容を中長期ビジョンとして取りまとめていきます。】 【】は八島による。
そして、この「フロンティア分科会」は、四つの部会を設置しています。これがなかなか面白いと思います。
1 「叡智」のフロンティア部会
2 「繁栄」のフロンティア部会
3 「幸福」のフロンティア部会
4 「平和」のフロンティア部会
以上の四つです。まあ、これだけでは何のことか分かりません。各部会とも現時点では、論点と議論の方向性を出している状況です。つまり、始まったばかりです。では、始まったばかりの論点を次に項目的に記載してみます。
1 「叡智」のフロンティア部会
①グローバルな知や文化とローカルな知と文化を組み合わせて新しい価値、日本オリジナルな文化を世界に発信していく。
②変化するもの、変化すべきもの、変化しにくいもの、変化させてはいけないもの、変えられないものを探り組み合わせを検討する。
③人間の知のうちデータ化できるものとデータ化できないものを探り組み合わせを検討する。
2 「繁栄」のフロンティア部会
①フロンティア人材の開発。
②経済の活性化、経済成長
③内外のヒト・モノ・カネをひきつける地域。
3 「幸福」のフロンティア部会
①主観的幸福、希望、実質的な生活水準の何を目指すべきか。
②幸福の諸条件とは何かを探る。これを分野別に「教育」「家族」「働き方」「地域」「食」「国際」で考える。
4 「平和」のフロンティア部会
①2050年までの国際政治を予測する。前半2030年までのアジア太平洋地域の発展の可能性わ探る。
②日本の国力が衰退縮小傾向とすれば、大胆に発想を転換し、受け身の国際政治から脱却を目指す。
③日本は米中の間に位置する。日米同盟の強化と海洋民主主義国家との連携を図るべき。
④「人間の安全保障」など多面的な平和相続の中で果たすべき役割は何かわ探る。
以上ですが、殆ど中味はわかりません。これからです。でも、このような議論を必要ですし、日本の行く末には文明史的な課題があるとも考えられます。一定の繁栄の後に何が来るのか、問題の先送りをした結果とは何か、世界における日本の役割は何か、等々を考える国家戦略室は注目の存在です。