民主党野田政権が、「社会保障と税の一体改革」として、消費税を引き上げる法案を閣議決定しました。
民衆内でも混迷を極め、連立政権として体を為さない中で、言わば強引に決定された消費税増税法案が、本当に国民の方向を向いているのでしょうか。また、デフレでありながら、ガソリン価格は上昇し、電気料金の引上げは、企業の収支の問題から製品価格の常勝に行かざる負えないのかもしれません。
公明党茨城県本部代表である石井啓一衆議院議員(党政調会長)は、消費税見直しのポイントを5点明確にしています。なお、項目以下の文は八島。
(1)社会保障の全体像を示す
・民主党が悪しざまに語り、政権交代の要にした最低保障年金創設などの年金制度の全体像が具体化されていません。
・後期高齢者医療制度の見直しや被用者年金一元化はどうしようというのでしょうか。
(2)景気回復
・「名目経済成長率3%、実質経済成長率2%」をめざすと掲げられていますが、そもそも民主党政権は発足当初から成長戦略が不明確なままですから何をかいわんやです。
(3)行政改革
・「身を切る改革」である議員の歳費恒久削減も決まりません。
(4)使途を社会保障に限定
・税制全体の改革では、所得税の最高税率を課税所得が5000万円を超える分で引き上げるとしています。これでは所得の再分配機能の強化は不十分です。
(5)税制全体の一体的改革
・「逆進性」の問題など低所得者への配慮が不明です。将来の共通番号制を前提としていますが、今減税や給付の具体像がなければならないものです。
消費税引上げはは、デフレの時に実行するものでないことが常識です。それは、負のスパイラルを起こして景気の減退と所得の低下を招くからです。当初3%、次いで5%の重みを実額で考えれば分かることです。ましてや消費税分の再配分の不透明さに対する不安と、消費税の転化によっては更なる格差に対する懸念はなくなりません。その意味でも消費税引き上げの環境に今はないと思うのです。