【かしてつバス】BRT(バス高速輸送システム)の高く展開のモデルとして地域密着収支改善を図りたい。

 本日付けの公明新聞3面に、「茨城県で始まったバス高速輸送システム(BRT)」として、JR常磐線から鉾田駅までの鹿島鉄道線路跡地に誕生した「かしてつバス」が紹介されましたので転載したいと思います。
   どうする“地域の足”確保/茨城県で始まったバス高速輸送(BRT)システム
 地域の公共交通機関をどうすれば確保、維持させることができるのか――これは多くの地域が頭を悩ませているテーマだ。赤字経営で廃線になった私鉄の線路跡地を活用して、全国初の公設民営方式でBRT(バス高速輸送システム)の運行が茨城県内で行われている。開業して1年半余り、現状を追ってみた。
 『廃線跡を専用道に転換/全国初の公設民営方式で整備』
 『「停留所が身近にできて便利」/利用客の掘り起こしが課題に』
 ニュータウン開発に伴い1989年6月、鹿島鉄道(当時)の新駅として誕生した石岡南台駅。ホームが2面、中央には両ホームをつなぐ跨線橋がある。ここまでは、どこにでもある駅の光景だが、駅誕生から20年余りを経て、今は鋪装された線路跡を鉄道ならぬ、「かしてつバス」が走る。
 
 JR常磐線の石岡駅から鉾田駅を結んだ鹿島鉄道(全長27・2キロ)が慢性的な赤字を背景に廃止されたのは2007年3月末のことだった。廃線後すぐに、鉄道に沿うルートで代替バスが運行されたが、ラッシュ時の国道渋滞などで所要時間が大幅にかかるようになったことに加え、運賃も上昇した。その結果、バス利用者は鉄道時代に比べ、約4割程度まで落ち込んだ。
 こうした事情を背景に、沿線自治体、学識経験者、住民らが集まり、勉強会を開始。議論の中で出てきた一つのアイデアが鹿島鉄道跡地を活用したBRT【別掲】の活用だった。
 BRTを採り入れ、鹿島鉄道の線路跡地をバス専用道として整備したのは石岡駅(茨城県石岡市)から四箇村駅(同小美玉市)間の5・1キロの区間。四箇村駅から鉾田駅までは国道などの一般道を通る。バス専用道は石岡、小美玉両市が市道として整備し、バスの運行を民間事業者が担う全国初の公設民営方式を導入した。
 単線だった線路を鋪装した専用道の道幅は、ほぼバス1台分。そのため、上り、下りのバスが行き交うための待避所を平均200メートルに1カ所つくった。一般道と交差する場所では、一般車両の誤侵入を防ぐため、バス専用道側の路面を黄色に鋪装した上で、遮断機を設置。バスが接近するとセンサーで反応し、遮断機のバーが上がる。
 交通量の多い交差点では、円滑にバスを運行させる観点から感応式の信号にした。これによって信号手前でバスは一時停止をするが、程なく青信号に変わる。
 バス停やバス待避所など関連施設を含めた事業費は国や県の支出も含めて8億3000万円。工事は09年11月に着工し、翌10年8月30日から新方式でのバス運行が始まった。
 比較的利用者が多い石岡駅~小川駅(小美玉市)間は現在、朝のピーク時に鉄道ダイヤと同じく10~15分間隔でバスがやって来る。鉄道時代と違うのは、石岡~四箇村間でいえば、バス停留所が9カ所新設されたこと。バス専用道の沿線にある石岡市南台二丁目自治会の川田豊会長は「停留所が身近につくられて、とても便利になった」と歓迎する。バス専用道の沿線に住む通勤、通学などの利用者にとっては、BRT方式で定時性が確保された点がうれしいようだ。割高だった代替バスの運賃も「かしてつバス」になってからは鉄道時代とほぼ同額に戻った。
 鉄道廃止で一度は不便を強いられた沿線住民らは、定期的に停留所付近の清掃活動を行うほか、イベントを開催して利用促進策を講じるなど、新たな“地域の足”を守り、育てる活動を積極的に展開する。その根底には「利用者が少なければ、このバスも撤退しかねない」との危機感がある。
 BRTの利点について、石岡市の鈴木幸治企画部長は「一番は維持費の少なさ」と強調する。その半面、1日の乗降客数が気になるのも正直なところ。多い月には1000人を上回る時もあるが、主力の通学利用客が夏休みに入る8月には600人余りに減る。現在、石岡~小川間の乗降客数は平均900人程度で推移、目標とする1日1600人には届いていない。今後いかに利用客を掘り起こせるかが課題になっている。
 利用者アップへまだ潜在的な需要があるとの見通しも示されるが、沿線の行方市にある高校では「かしてつバス」の運行地域と重なる形で独自にスクールバスの運行を始めた。小美玉市にある別の高校は生徒数の減少から他地域の高校との統合を決めるなど、利用促進に向けた環境は必ずしも良好とはいえないのも事実だ。
 『鉄道不通の三陸沿岸部 地元はBRTに強い懸念』
 昨年3月の東日本大震災で三陸沿岸地域の鉄道路線は壊滅的な被害に遭った。発生から1年1カ月を過ぎた今も、全面復旧のメドが立たないJR東日本の気仙沼線、大船渡線、山田線の各線ではJRがBRTの導入を模索するが、沿線自治体は国やJRに対し、鉄道による早期復旧を強く訴えている。
 自治体が鉄道にこだわるのは、とりわけ思い入れの強い路線であるためだ。第三セクターの三陸鉄道を含め、宮城県仙台市から青森県八戸市に至る三陸沿岸部を鉄路で結ぶことは1世紀近くをかけた沿線住民の“悲願”だった。それがこのままでは寸断されてしまうことになる。
 さらに自治体がBRTに難色を示す背景には、JRが仮復旧の位置付けでBRTに言及する一方で、鉄道復旧については具体的な見通しを示していない点がある。
 自治体側は鉄道不通で学生や高齢者などの交通弱者が不便を強いられている現状を早く解消したいが、JRが鉄道復旧を確約しない中でBRT導入を認めれば、鉄道廃線の布石になるとの疑念が拭いされないでいる。
 【BRT】Bus Rapid Transit=バス高速輸送システム。バスが専用道を走行することで、定時性と速達性を確保。鉄道や路面電車に比べて整備コストや維持管理コストを大幅に抑えられる点も特長。
 以上が記事の内容ですが、東日本大震災の被災地における人の輸送を考える大きなモデルケースと言える「かしてつバス」です。このブログを子欄の方の目に留まることを期待しています。