年金に対する関心は、日を追うように高まっています。
民主党の言う「社会保障と税の一体改革」では、消費税増税先行という本末転倒の政策が打ち出されていますが、私たちは、社会保障の大きな柱である年金についても不安と苛立ちを覚えていることは相違ありません。
既に、民主党の最低保障年金の欺瞞性は白日の下に晒されています。特に、最低保障年金が満額受給できるのは40年後と聞いて殆どの皆さんが「どん引き」状態になります。
そして、あらためて現在の年金制度に対する不安を訴える方が多いことも事実であると感じます。まさに100年住宅のリフォームが必要な時が来たということだと考えます。
その現状について、公明党の坂口副代表がインタビューに応えていますので、以下掲載したいと思います。
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『低年金者への対策が急務。年金額のかさ上げに取り組みます』
『現行制度は少子高齢化を計算済み、積立金も問題なし』
『「AIJ」は私的年金の問題。公的年金の安定性は揺るぎません』
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――少子化で年金はもたないのではとの不安の声がある。
坂口力副代表 2004年に改革した現在の年金制度は、今後の少子高齢化も織り込んで計算し、持続可能な制度になっています。もちろん、その時々の経済状況や賃金上昇率などで微調整が必要ですが、大枠は現行制度で安心して大丈夫です。
――政府・民主党が掲げる年金抜本改革案の問題点は。
坂口 一つは生涯平均年収が420万円を超える大多数の中堅サラリーマンで、今よりも年金額が減るということです。低所得者への月額7万円の最低保障年金も、実現は40年後です。
また財政的にも大きな問題があります。政府は15年に消費税率を10%に引き上げるとしていますが、民主党の年金改革案だけで、将来10%の税率が必要になるとの指摘もあります。合計20%になり、非常に無理があると言わざるを得ません。
――公明党が考える改善策は。
坂口 現行制度で低年金の方への対策は急務です。単身世帯で年収150万円未満、夫婦で同200万円未満の方には年金額のかさ上げが必要だと考えます。例えば、現在は基礎年金の5割を国庫負担としていますが、低所得の方には6割まで引き上げる。そうすれば月額6万6000円の国民年金は、8万3000円となります。
――年金積立金の減少を問題視する識者もいるが。
坂口 09年度に約151兆円あった積立金が121兆円あまりに減っているとの指摘がありますが、595の厚生年金基金への貸し出し分など20数兆円が返ってこないとの前提に立っています。しかしこれまで順調に返ってきています。
ただ、今は団塊の世代が高齢者となり、急激に年金をもらう人が増えており、財政的には厳しい時期ではあります。しかし今後、厚生年金は最高で年収の18・3%(事業主と本人で折半)まで保険料率を引き上げることになっているので、年金財政は安定してきます。
――AIJ投資顧問による年金資産消失問題が、公的年金にも影響を及ぼすのではとの不安がある。
坂口 この問題は公的年金の話ではなく、「3階部分」と言われる厚生年金基金(私的年金)の問題です。3階部分は企業などが独自に運営しており、公的年金とは完全に切り離して考えなければなりません。公的年金の安定性に問題はありません。