【建設国債】防災・減災ニューディール政策の財源は、期間と調達に柔軟な新しい思考から生み出される。

 民主党の経済無策は、政権交代のキャッチとして安易な「コンクリートから人へ」と言ってしまったことから、公共投資及び腰の政策展開になったものと考えられます。
 ましてや東日本大震災を経験した私たちは、防災・減災の確たるインフラの整備を求めています。端的には津波対策など港湾整備や海岸線資金の道路の別ルート確保は、防災・減災の大きな役割を果たすものと考えられます。
 公明党は、「防災・減災ニューディール」として、景気浮揚への公共投資を防災・減災の観点から事業設計する政策を提示します。
 これは、ある種「公共事業イコール利権」という、潜入観念を払拭し、積極果敢な景気対策をもって、デフレ経済からの反転攻勢を狙うものです。
 そこで、「防災・減災ニューディル」の財源として想定される「建設国債」について、以下確認したいと思います。
 まず、日本国債(Japanese Government Bonds(略称:JGB))とは、日本政府が発行する国債です。それは、発行する理由に基づき、区分管理されています。
 それは、税収などの収入で支出(歳出)を賄えないときに発行されるのが、「新規国債」(新規財源債)と呼ばれるもので「建設国債(四条国債)」「赤字国債(特例国債)」がそれに該当します。
 更に、「借換債」があり、共に普通国債となります。、普通国債の償還・利払財源は主に税収から賄われます。
 「建設国債(四条国債)」 
 「建設国債(四条国債)」とは‘主に道路、住宅などの公共事業の財源にあてるために発行される国債’です。財政法第四条に基づき発行されるため、「四条国債」とも呼ばれます。
 まず基本は、財政法第四条では「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と基本的に国債の発行による財源の確保を禁止しております。
 しかし同時に「但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と規定していることから、公共事業費、出資金、貸付金のための財源確保には、国債の発行が認められております。
 建設国債(四条国債)は、1966年度に6656億円が初めて発行され、それ以降は毎年発行され、2010年度までに発行が途切れたことはありません。発行以来、発行金額は徐々に膨らみ続け、1998年度の17兆500億円をピークに、近年は減る傾向を示しておりましたが、2009年度に景気対策のために15兆110億円が発行されております。1966年度以来、2010年度(当初)まで累計「312兆3128億円」の発行となります。
 
 「赤字国債(特例国債)」 
 「赤字国債(特例国債)」とは、公共事業費、出資金、貸付金以外の目的で、‘日本政府の財政収支の赤字を穴埋めするために発行される国債’です。
 理解しにく話ですが、「赤字国債」の発行は財政法に‘違反’しているため、‘毎年度’「公債特例法」を成立させ、‘特例’により発行していることから「特例国債」とも呼ばれます。
 この公債特例法は、衆議院優位ではありませんから、予算案の本質的な成立に必須として政局になることがたびたびです。
 「建設国債」を使って建設される公共施設は後の世代にも残り利用できる一方、「赤字国債」は残るものがなく後の世代にツケを残すだけとして、「建設国債」と区別されております。
 発行のデータは、赤字国債(特例国債)について、1965年度に1972億円が初めて発行された以降は、1966年度から1974年度までと1991年度から1993年度までを除き、毎年度発行されております。1991年度から2000年度までの10年は「91兆6741億円」、2001年度から2010年度(当初)までの10年は「269兆5320億円」と、1990年代後半以降に発行額は急増し、2009年度には「38兆4440億円」、2010年度には「37兆9500億円」を発行する予定です。1965年度以来、2010年度(当初)まで累計「430兆9982億円」の発行となります。
 なお、国債額面に「建設国債」「赤字国債」などと記載されているわけではありません。共に日本国債として発行されます。
 公明党の「防災・減災ニューディール」の財源は、上記の60年を償還期間とする建設国債と、新たに「防災・減災ニューディール」を償還期間25年を想定して発行すると提案している。更に、民間資金の活用として、レベニュー信託のような証券化商品の利用や、PFI等を想定しています。
 これらの期間の柔軟性と、収益あるインフラの証券化は、今後の社会資本の新しいあり方になるものと考えます。
 また、この政策は、土地取得に使用しないことが大事です。これらは有効需要であり、民間資金を取り込むことでの乗数効果も、投下金額そのものが見込める政策と言えましょう。
 GDPを2%ほど押上げる効果があると考えられ、この政策が日銀の目指すターゲットラインに大きく寄与するものと考えられます。
 いずれにしても、積極的な経済対策が、必ず景気浮揚と税収向上の結果を生むものであり、復興の槌音のみならず首都圏直下型地震対策の柱になることを訴えたいと考えます。