【相互応援協定】「公助」は、自治体連携の強化と高度化により、深化する。

 5月6日に発災した竜巻災害の現場にあって、私は改めて「公助」の強化と高度化を考えさせられました。
 首都圏直下型地震を想定し、3秒3分3時間3日の「自助」を訴え、より身近な「共助(近所)」のコミニュケーションを訴えてきました。しかし、竜巻の現場の凄まじさは、より進んだ「公助」がなければ生活を守れないと感じるばかりです。
 「自助」「共助」を踏まえた、行政・政治からの回答を新たに展開される「公助」で示さなければなりません。
 私たちは、「防災・減災ニューディール」を提案し、名の通りの防災・減災と、経済対策を協力に推し進めて参ります。
 そして、ハード面の対策とともに、「公助」を活かす災害協定にも、知恵と力を発揮したいと考えます。
 災害時に自治体間で互いに助け合うことを取り決める「相互応援協定」の意義が、東日本大震災を機にあらためて注目されています。
 
 既存の協定の内容について見直しを進めるだけでなく、新たに協定を結ぶ自治体も少なくありません。三つ以上の市町村が提携し合うという、より広域的な取り組みも新聞紙上に掲載され、同等規模の協定や不足を補う協定などの工夫が見られます。
 災害列島日本の全域に自治体同士の“横の連携による支援網”を深く広く張り巡らせていくことは大切です。
 相互応援協定の締結は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に進みました。
 消防庁によると、2010年4月1日現在、協定を締結している市町村数は1750団体のうち1571団体に上り、都道府県レベルでも30件を数えています。
 
 そして、協定は形式的に結べば済むというものではないと訴えたいと思います。
 東日本大震災では、被災自治体の多くが締結先の自治体から物資や人員の提供を受けるなど、相互応援協定の有効性が浮き彫りになりました。
 しかし、その一方で、協定の内容が抽象的過ぎたり、日ごろからの交流が希薄だったりしたために効果的に機能しなかった事例も少なからずあったとの意見もあります。
 私たちは、この経験に学び、中身をよく精査して、より実効性ある協定とすることが重要でしょう。
 指揮系統から情報連絡のあり方に至るまで、一つ一つの項目を具体的に定めておく必要です。共同防災訓練の実施など、いざという時に備えた日ごろの交流に関わる項目も盛り込みたいと考えます。
 あえて提携先の自治体を遠隔地にも求め、複数の市町村で重層的に支援し合う体制を築くことも大切でしょう。
 相互応援協定の広がりは、「防災減災国家・日本」の建設を下支えすることになります。わが公明党が主張しているハード政策としての「防災・減災ニューディール」を推進する上でも欠かせない災害ソフト対策の柱と言っても過言でありません。
 災害に対する対策は、ハードとソフトを柔軟に組み合わせ、広域・重層的に、補完機能を明確に、日頃の訓練に発揮できるシステムとして完成させたいと考えます。