【セーフティネット住宅】民間賃貸住宅活用、耐震・省エネ・バリアフリーの改修助成。住まいがあってこそ安心の生活確保。

 衣食住と言われた生活の必須項目。時代背景によりその順番は変動している。
 今、厳しい雇用情勢の中で、住宅の確保に困っている子育て世帯や高齢者世帯が増加している史実があると考える。
 しかし、公営住宅は、個数が増えることはなく、全国で219万世帯分の横ばい傾向とようだ。「セーフティネット住宅」。住まいの確保は生活の安定性につながることは疑いないと思う。依然として公営住宅の需要は大きい。
 
 国土交通省の調査によれば、10年度の公営住宅の応募倍率は全国平均で8・9倍。特に大都市圏で倍率が高く、東京都で29・8倍、大阪府では17・6倍にも上っており、公営住宅の絶対数は圧倒的に不足している。
 
 そして、地方は、わが茨城県は、地方自治体の財政悪化などから、公営住宅の供給に依存した住宅のセーフティーネット(安全網)の取り組みは限界にきていると言う。
 では、どうするのか。増加傾向にある民間賃貸住宅の空き家の有効活用がある。この施策の既に始まっているものの、適切な地域に適切な環境整備等は、これからの課題のように感じる。
 公明党は先の参院選マニフェストや「新しい福祉社会ビジョン」(10年12月発表)で、民間賃貸住宅の空き家をリフォームし、子育て世帯や高齢者世帯、障がい者、低所得者などの住宅困窮者に低家賃で提供する「セーフティネット住宅」を10年間で100万戸整備すると提唱している。
 つまり、年金や医療、介護、子育て支援のあるべき姿とともに、雇用形態や家族構成の変化などを踏まえ、“社会保障政策”としての住宅政策に抜本的に転換する必要があると考え間す。
 国は、今年度予算にセーフティネット住宅の整備事業(100億円)が盛り込まれ、先月25日から同事業がスタート。同事業は、民間賃貸住宅の約2割を占める空き家(413万戸)などを改修し、住宅困窮世帯に低賃金で質の高い住宅の供給をめざすものだ。
 対象となる改修工事は、耐震化や省エネ化、バリアフリー化のいずれかを含んでいることが条件で、1戸当たり100万円を上限に国が改修費の3分の1を補助する。
 さらに、改修後の最初の入居者は、子育て世帯や高齢者世帯などとすること、その後も入居を拒まないこと、災害時に被災者が利用できるよう自治体と協定を結ぶことなどが条件に盛り込まれた。
 住宅に困っている低所得者は増加する一方だ。既に14都府県でセーフティネット住宅の整備事業が決まった。
 全都道府県での供給拡大が予想される中で、茨城県は模範でありたいと考える。