文部科学省が発表した今春(24年3月)大卒者の進路内訳は、日本の将来を悲観してしまうものでした。
卒業者55万9030人のうち、進学も就職もしない新卒者が8万6638人と15.5%いるのみならず、その中の3万3584人が就職も進学もしない「ニート」であるということです。これば全新卒者の6.0%にあたり、新卒者の勤労意欲や職業観や人生設計に、今の社会が明確な方向性を指示せない状況を表しているように感じます。
全体としては、就職率が63.9%と前年比2.3ポイント上昇しているものの、就職しても3年以内に離職する新卒者が3割いるとすれば労働市場の問題ではなく、日本の人的資源からくる成長性に悲観的にならざるおえない危機的状況です。
「働かなくても食べれる」とは、けっして社会保障の充実を言いません。格差が新たな弱者救済を必要とし、本当の意味で生活の寿実と発展を願う意欲を失わせるのなら、制度を変えざる負えないと考えます。
しかし、政治は生活再建の入り口や方途を示せていないと思います。新卒時の進路は、将来の日本の進路です。もっと職業訓練と成功体験を積むような教育環境が必要だと考えます。加えて、大人たちが日本の確たる将来ビジョンを示すべきです。渡すバトンは、価値あるバトンであることを説明できる社会が必要です。