先日、生活保護を受給したいとの相談に接しました。
70才超の高齢、職を探すも見つからず、借家で車の保有もありません。今日食べるお米もないと申し出です。本当に気の毒な状況であり、早速市の窓口への取次をさせて頂きました。
外形的には直ぐに生活保護受給対象になるものとも感じましたが、市の担当者は丁寧に生活事情を聞いて、同居人との関係や、近隣の親戚等の有無等から、一旦は自助努力することに落ちついたようです。この対応がいわゆる水際の厳しい対応になるかは分かれませんが、相談の後私宛てにかかってきた電話の内容からは、ご本人の納得があったと思われ安心しました。そして、引き続き相談体制が維持されたことは、相応の結果と受けて止めています。
さて、このように貧困等による生活の困窮が子ども達に及んでいることは看過できません。
文科省によれば、経済的に厳しい家庭に給食費や学用品代を補助する就学援助制度の支給対象となった小中学生は2011年度に156万7831人に上ったとの事。前年度より1万6748人増え、過去最多を更新したそうです。
調査開始時の1995年度(約76万6千人)から16年連続の増加し、全児童生徒に占める対象者の割合も過去最多の16%と最悪の状況です。
原因について文科省は、「景気低迷に加え、東日本大震災の影響を受けた連鎖倒産などが被災地以外にも広がり、増加につながったのではないか」としており、公的支援の側面からみれば、震災で家計が悪化した子どもには通常の就学援助と別の枠組みで給食費などが支給されている数を加味して実態を把握すべきだと思います。
更に、都道府県教育委員会を通じて実施した調査では、就学援助は生活保護を受ける「要保護」世帯と、生活保護世帯に近い状態にあると市区町村が認定した「準要保護」世帯が対象とすると、要保護は15万2060人、準要保護は141万5771人です。そして、地域間格差も指摘されています。
格差の拡大は、現実の生活に顕著です。その格差のしわ寄せが子供たちに出るとすればこれ程悲しいことはありません。日本の未来を憂慮する問題でしょう。負の連鎖が、教育に及ぶことは何としても避けたいと考えます。
相対的貧困という指標がありますが、豊かさの影に忍び寄る貧困に立ち向かう努力が必要だと考えます。