私が県議会議員になる以前勤務していた私の経験のすべてと言って良い常陽銀行の「常陽銀行ミニディスクロージー誌2012(第122期事業の中間のご報告)」が郵送されて参りました。
衆議院選挙戦の中で、景気を語り、金融財政に触れるとき、茨城では常陽銀行の名を使わせて頂くと多くの方の納得を得ることができます。これは、元行員として誇らしいことです。それでも、今回北関東比例区に立候補した岡本三成氏が自らゴールドマン・サックスを通して話すことに違和感はないものの、私自身は、大切な心の拠り所として常陽銀行の業績に触れることはありません。
さて、これらを踏まえて、送られてきました誌の中から、いわゆる預金と貸出金のバランスと、その差異にあたる至近の運用について記してみたいと思います。
平成24年9月の預金残は、7兆2,437億円です。貸出金残高は、5兆212億円です。つまり、預金を原資として銀行本来の事業である貸出は、預金超過にあり、差異は2兆2,225億円存在することになります。
では、この2兆2,225億円の中味は何でしょうか。まず、2,368億円の現預金です。預かった預金を紙幣や硬貨等で持っており、預金者への支払準備に資するものです。これは運用ではありません。
では、預金貸金の差額の運用額はどれくらいか。単体の中間貸借対照表では、2兆5,559億円の有価証券運用が計上されています。この金額は、差額の金額を団順に比べれば5,702億円オーバーしていることになります。つまり、貸出金や有価証券の運用は、今まで積上げられた自己資本額も加味しているものなのです。
常陽銀行の株主資本額は、3,958億円、この、簡単に言えば無利息で銀行が一定の範囲で自由な資金の多寡が収益の源泉と言えましょう。
銀行の本来業務は、貸出金に他なりません。企業や個人等、金融こそが経済の血脈として潤沢であることが望まれます。そして、リスクを取りながらも、リスクを回避する、ノウハウと責任が銀行にあると考えるものです。
有価証券の運用はが、国債が大きな位置を占めていることは勿論です。この国債は、日本の信用状態により金利等が変動し、国の財政を揺るがしかねません。その意味では、金融をテクニカルな問題に矮小化しないで、本来的な実需による金融需要拡大に努めていくべきだと考えます。