今日の毎日新聞2面のコラム「時代の風」の仏経済学者・思想家ジャツク・アタリ氏の「民主主義の将来」と題する論考を興味深く読みました。
それは、ポピュリズムに対する論考であり、ポピュリズムと世論調査、官僚組織、長期政権、そして民主主義を扱ったものです。
まず、ポピュリズムについて、「ポピュリズムとは条件の難しい道を避け、最も安易な方に人々を導くことだ。ポピュリズムの指導者は人々を愚かだと考え、最も本能に近い欲求に訴える。だがそうしたポピュリストより人々は賢明だ。やがてポピュリストの指導者は窮地に陥り、権力を譲ることに抵抗する。ポピュリズムの多くはの場合、衆愚政治に始まり独裁に終わる」と述べている。
次いで、世論調査は民意を理解するに有効であるが、本来は国民をよりよく説得するために有効なものとすべきだとして、「私は民衆の元首だ。だから私は民衆に従う」ではなく、「私は民衆の元首だ。だから私は彼らを先導する」べきだと述べています。
ここでは、有権者の説得こそが大事であり、不人気であるが、ずと不人気では選挙に負けることから真の政治家になれないとも述べます。
そして、官僚組織、首長と首相の違い(権力期間の差異)、ヨーロッパの民主主義について論考しています。
ともあれ、民主主義に重要は、「理念」であるとし、「説得力」ある言葉の発信こそが真の民主主義を構築するとしています。
これらは、民主主義と何かをポピュリズムを通して語ろうとしているものてず。わたくしも、民主主義の原点は理念であると思考します。では、「その理念とは何か」、また、「その実現の方途とは何か」を考えると明快な結論を導き出せません。公明党は、理念のある政党です。政党はそうでなければなりません。(民主党には、理念というべき綱領がありませんでした)。そして、議員は一人一人が、国民県民市民と相対して、現実と理想を語らなければなりません。
民主主義の到達点はまだまだ先のようです。追いかければ追いかけるほど手の届かないところに逃げていくものかもしれません。私たちの目指す人間主義の政治は、あくなき探求の中にあるように考えます。