今朝の毎日新聞第4面のインタビュー記事「そこが聞きたい」は、公明党山口那津男代表の先般の訪中の意義や舞台裏、日中関係改善への手応えが掲載されています。
この内容は、か細くあやうい現在の日中関係に、公明党が確かな手がかりを果たしたことがエピソードによりわかる内容です。
その項目を要約してみたいと思います。
①4度目の出会い
最初は、2007年習近平総書記が中央政治局常務委員就任直後で、山口代表は与党訪中団の一員。次は、2009年の習氏の来日であり、山口代表として。三度は、2010年12月尖閣諸島付近の中国漁船の巡視船衝突後の千兆釈放後。政治家として初めて、しかも野党。そして、今回が4回目であり、日本人政治家として最多。
②日中のパイプ
政府間対話ではなく、政府より共産党の中国とは、政党間対話が必要。ましてや両国の政府や指導部交代時は政党間交流が政府間対話を開く。また、自民党では、靖国・憲法・国防軍・集団的自衛権等々があり対話は難しい。
③公明党のつながり
この訪中は中日友好協会の唐家せん会長の招待だが、中国人民対外友好協会の李小林会長の尽力。李会長は、八大元老の一人、李先念元国家主席の娘。習総書記は元元老習仲勲元副首相の子弟。
1974年創価学会の池田名誉会長の初訪中時に李元主席と会談。今回、習総書記は、会談冒頭のテレビカメラの前で、「池田名誉会長から年賀状を頂きました」と発言。
④中国との関係改善
前回、山口代表は、「公害や都市化のゆがみを解決した日本の経験を役立ててほしい」。
習氏は、「中国の人口は先進諸国の総人口に匹敵する。先進国と同じやり方では、地球環境・資源への負荷が大きすぎる。日本の協力が必要だ」。
今回、山口代表は、「環境に加え、中国ではこれから高齢化が急速に進む。社会福祉での日中協力も必要だ。一つの懸案(尖閣問題)を全体の関係に波及すべきではない」。そして、対立より協力のほうが実利が大きい。
⑤中国の軍事
前回、習氏は、「中国は絶対に覇権を求めない」を確約。今回は、「国交正常化以来40年。日中がともに発展できたのは4つの政治文書があったからだ」
今回、山口代表は、「中でも重要なのは、今年35周年を迎える平和友好条約だ。柱は互恵関係の推進と、問題が起きても武力を使わず覇権を求めないこと。これを守れば、問題は乗り越えられる」
このような山口・習会談の中身がわかりました。中国との関係は、すでに切っても切り離せない深く高度なレベル感にあり、一触即発ですべてを失う理由かありません。対立点があろうとも常に対話の窓口を絶やすことなく、互いのメッセージを発信続けることが肝要です。そのことを確認するインタビュー記事でした。